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1997年12月4日


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富士通の衛星高速データ通信事業拡大
アジアでインターネット・マーケット・リサーチ
余談5題:Quick Web年内発売/安全にファイル転送/モバイルHD/メール、クリスマス!/長野五輪で腕時計型PHS/休刊連絡


富士通の衛星高速データ通信事業拡大
 日経産業新聞2面には、富士通が衛星を使った高速データ通信事業で、社外へのサービスを本格化するという記事が掲載されている。今年度中にも5つの企業と学校等の3団体などからシステムを受注し、データの受け手となるアンテナを4千カ所に設ける計画で、99年までにはアンテナを4万拠点にまで拡大したいとしている。同社は宇宙通信の衛星「スーパーバードA」を利用して、PCなどに最大3Mbpsでデータ伝送するサービスを手掛けており、大容量データを全国に配信する場合では従来の地上回線に比べ1/10以下の料金で利用できるともしている。

 富士通の関連会社の富士通ラーニングメディアも12月1日から、SOHO向けに衛星デジタル通信(DirecPC)を活用した「超高速インターネット・アクセスピット」を開設しており、まず東京のビジネスコンビニエンス「DigiPit神保町」において、最大400Kbps(データ従量制:120円/1MB)のデータ通信サービスを開始した。ただ、まだユーザー数も1店舗では、通信料金も高価なものになってしまうだろう。そこで今回の取組みが進行して、衛星からのデータを受けるアンテナ数が大幅に増えることとなれば、ユーザー数の増加でデータ量当たりの単価もその分、低減されることが期待されるだろう。


○アジア地域でネットを使ったマーケット・リサーチ事業
 日経産業新聞2面及び日刊工業新聞7面には、インターネットサービス会社のエー・アイ・ピー(AIP)が15日から、アジア地域でのインターネットを使った広告・市場調査事業を始めるという記事が掲載された。既に同社は日本、韓国、中国、香港など7地域の9プロバイダーにサーバーを設置しており、コンテンツ配信サービスを展開(10月17日のNEWS Watch参照)しているが、今回は韓国の韓国通信やDACOM、Inet、香港のHKNet、中国のCHINANETや北京ネット、タイのiNETの7プロバイダーと業務提携したとしている。同事業以外にも国際仮想専用線サービスなど、ネットを使った付加価値の高いサービスを順次投入するともしている。

 このところ急激に元気がなくなってきているアジア経済の状況下ではあるが、日本からアジアへ、またその逆にアジアから日本へと動く物(人又は情報)の流れは増える一方と考えられるので、インターネットを利用してスピード・アップしたアジア地域のマーケット・リサーチ情報なども、各種の業界の需要が見込めそうだ。




余談その1:Quick Web年内発売(!?)
 日経産業新聞5面には米インテルが、ホームページに接続するときに、画像が表示される待ち時間を半分に短縮するソフトを開発したという記事が掲載された。接続先のホームページを解析して、画像だけを圧縮してユーザーのPCに転送するとしており、発売も年内を予定しているようだ。

 9月29日のINTERNET Watchにも掲載された、WWWブラウジングを高速化する技術「Quick Web」を取り上げたようだ。
 画像のダウンロードを待ち切れないネットサーファーにとっては、このソフトの発売日など、もっと待ち切れないのではないだろうか。

余談その2:安全にファイル転送
 日経産業新聞2面日刊工業新聞7面には、凸版印刷が3日、インターネットや公衆回線で安全にファイル転送できる暗号機能付きの通信システムの開発を発表したという記事が掲載された。米政府の標準暗号化技術「DES」に準拠し、独自の暗号カギの管理方式を加えてさらに高い安全性を実現したとしている。既に社内運用を開始しており、98年1月からは得意先を中心に外販も行う予定ともしている。

 データ通信路のセキュリティーを上げる為に、イントラ/エクストラネットやVPN(仮想専用線網)などを開設するような費用や手間を考えれば、今回の(ファイル転送等の)用途を絞った形でのセキュリティー・アップ方策の方が、効率的なケースも多いと思われる。

余談その3:モバイルHD
 日経新聞17面には、受託ソフト開発のクレオが、コンピューター周辺機器分野に進出し、その第1弾としてノートPCとデスクトップPCの両方でデータ共有できる着脱型ハードディスク(2.5inch、2.5GB:予価6万3,800円)を開発、近く発売するという記事が掲載された。縦置きのデスクトップPCに専用接続装置を付けて、ビデオカセットを差し込むような要領でHDを増設出来、HD本体はスイッチ操作だけで取り外せるので、そのままノートPCにも接続が可能としている。

 勤め先と自宅で同じPC環境で作業などを行いたいと思っている方には、ノートPCを持ち歩いたりネットを使ってデータをファイル転送するよりも、手で手っとりPC環境移動機器になりそうだ。

余談その4:メール、クリスマス!
 日経新聞33面(首都圏版)には、電子メールでクリスマスカードを送ると、電球が点灯するクリスマスツリーが4日、東京・渋谷区のJR恵比寿駅西口に登場するという記事が掲載された。NTTアドのホームページを利用(無料)してクリスマスカードを送ると、10通に4個の割合で自動で電球が点灯するシステムとしているようだ。10月には駅ビルのショッピングセンター「アトレ恵比寿」が開業しており、そこのXmasイベントとも連動させていくともしている。

 何とも心暖まる、粋な取組みで、季節的にもこれからが盛り上がるイベントの一つと思われる。

余談その5:長野五輪で腕時計型PHS
 日経新聞11面&日経産業新聞7面日刊工業新聞9面には、NTTが3日、腕時計型PHSの試作機を開発し、長野五輪の組織委員会に40台を提供すると発表したという記事が掲載された。重さが45gで待ち受け時間が百時間と、96年に作ったプロトタイプを大幅に小型・高機能化しており、電池やアンテナの他に声でダイヤルできる音声認識機能も内蔵している。

 写真を見ていただければ、その小ささなど分っていただけると思う。SFや漫画などで腕時計型リモコンに憧れた世代にとっては、五輪の金メダル以上(?)にレア・アイテムになるかも。(^_^)

休刊連絡:
 明日のNEWS Watchは休刊とさせていただきます。どうかご了承の程を、お願い致します。m(__)m



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