1997年12月9日
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○IE4.0でCATV高速インターネット接続
○メール攻撃防御ソフト
○Java IC Card「GemXpresso」
○ビットメディア社設立
余談2題:モバイルユーザーへのメール配信2題/次世代設備系ネットワーク
○IE4.0でCATV高速インターネット接続
日経産業新聞1面には、米マイクロソフトとCATV網などを利用した高速インターネットサービス会社の@Home Network(アットホーム・ネットワーク)が、ブラウザーの開発や企業向けの事業で提携したという記事が掲載されている。
12月4日の@Homeのプレスリリースでも、両社はIE4.0を基に、高品質の音声やビデオを鑑賞できる高速ネットワーク用ブラウザー・ソフトを共同開発するとしており、またWindowsNTを@Homeの中小企業向けネットワーク構築サービスに利用していくともしている。
また同じく日経産業新聞の17面には、その@Home Network社がホテル業界向けネット接続のフォース・コミュニケーションズ・ネットワーク社と提携し、全米のホテル客室をCATV網を使った高速インターネット接続する事などの、低価格で高品位なインターネット・サービス事業を展開するという記事が掲載されている。
12月1日の@Homeのプレスリリースでは、既に両社はこのサービスを米国の一部で展開し始めており、来年半ばには全米にサービスを拡大するともしている。
米MSがデータ放送のコンテンツ配信を展開する方策(10月20日のNEWS
Watch参照)の一つとして、CATVも本格的に仲間入りをして、自前のコンテンツ配信サービスを家庭やホテルなどに拡大していこうというところなのだろう。IE4.0、延いてはWindows98を、通常のCATV放送受信をも操作する窓(CATV用OS)までへと機能拡張させる意図も感じられる。
○メール攻撃防御ソフト
日経産業新聞2面と日刊工業新聞9面には、ネット機器やソフト販売のヒューコムが、セキュリティー関連ソフト開発の米ホイール・グループ社と販売提携を結び、その第1弾として外部から自社内のネットワークへ侵入しようとする動きを検知し除去するサーバー用ソフト「ネットレンジャー」(価格:198万円~)を発売開始したという記事が掲載さた。このソフトは、通過した情報パケットの形を自動認識し、同時に「侵入」や「IPハイジャック」といった典型的な攻撃パターンも覚え込んでおり、リアルタイムで不法アクセスに対応できるとしている。また、メール攻撃などから守ることが出来るソフトとして、大企業などに売り込むともしている。
新たなネットワーク攻撃・侵入などが発生した場合に、二度目から防御出来るソフトとなっているようだ。時の流れとともに需要も増してくると思われるソフトだが、今後はメール爆弾など、一発攻撃ものに対応できるセキュリティー・システムも望まれてくるだろう。
○Java IC Card「GemXpresso」
日経産業新聞2面と日刊工業新聞7面には、世界最大のICカード会社の仏ジェムプラスが、Javaベースの多機能ICカード「GemXpresso」(1枚1,200円)からを開発し、来春をめどに日本で3種類の新製品を発売するという記事が掲載さた。日本ジェムプラス社を通じて発売するのは、ICチップに世界で初めて32bitRISCチップを採用し、またJavaをミドルソフトとして組み込んだため、通常のPC並みの処理速度と動作が可能だとしている。来日中のラスス社長も、「NTTの時期テレホンカードでの採用を期待している」と語ったともしている。
既に海外向けには、今年の10月16日に同製品のリリースが出されており、世界初のJava
Card API2.0仕様に準拠したICカードだとしている。NTTの次世代テレカばかりでなく、電子マネー(財布)から簡易モバイル電算機まで、このカードの応用範囲はネットとの連動も含めて、かなり広がる可能性があると思われる。
○ビットメディア社設立('96年11月28日のINTERNET
Watch記事も参照)
日経新聞17面には、ソフト開発のインフォシティや住友金属工業、テレウェイ(日本高速通信)、CM制作のティ・ワイ・オー、テレマーケティングのベルハート、パチンコ店設計の環デザインの6社が共同で、データ放送の番組制作会社「ビットメディア」(東京、資本金:1億円)を設立したという記事が掲載された。来年1月から事業を始め、まず番組制作でデータ放送の普及を後押しするとしている。
「ビットキャスト
」を使ったTVデータ放送は、10月からTBSが「データパレード」としてサービス開始しているのだが、現状ではPCをTV替わりにした文字放送的なサービスが主流となっている。今後はネットとの連動も考慮した、コンテンツ製作も期待したい。
余談その1:モバイルユーザーへのメール配信2題
日経産業新聞7面には、日本IBMがエージェント技術を用いたモバイル・コンピューティング・システムを開発したという記事が掲載された。携帯端末向けにロータス・ノーツをメール機能のみに簡略化したソフト「ノーツメイト」を使い、同ソフトを端末とサーバー側に搭載してエージェント機能によって非同期にメールを一括送受信出来るとしている。
また日刊工業新聞9面には、PFUが8日、企業のイントラネット内の電子メールを外部から電話で簡単に確認できるソフト「メルトル君
for WindowsNT」を発売したという記事も掲載された。出張等でたまってしまう電子メールを外出先から電話などで確認出来、緊急又は重要な情報を確実に把握できるソフトのようで、メール到着先を携帯電話やPHS、ポケベルなどに自動的に通知し、長文メールはFAXに一覧出力出来るなどの特徴も持っているとしている。
やはり忙しく外回りを飛び回る方々には、モバイル機器でサーバーにアクセス出来るだけではなく、より早くかつ内容判別が出来る様なメール配信機能も必要というところなのだろう。
余談その2:次世代設備系ネットワーク(11月14日のNEWS
Watchも記事参照)
日刊工業新聞11面と日経新聞13面&日経産業新聞9面には、松下電産と東芝、日立、三菱電機の4社が9日、家庭の電灯線を使って家電機器の省エネ制御や高齢者の介護支援を行うホームネットワークの開発コンソーシアムを結成するという記事が掲載された。'99年中までに基盤となるソフト規格「次世代設備系ネットワーク」などをまとめる計画で、ユーザーはインターネット経由で遠隔操作で家庭内の機器のオン・オフなどの操作が出来るようになるとしている。
直接インターネット・プロトコルを電源ラインに乗せるわけではないので、電源ラインを直接情報(インターネット)家電のインフラにするような拡張性も考慮しておいた方が良いのではと思われる。
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