最近「セキュリティ」についてよく耳にします。もちろんプロバイダーやシステム管理者がやるべきこともありますが、まずはその前に身近なところで、自分のセキュリティから見直してみましょう。この新連載では、セキュリティを守るために、知っておいたほうがいいこと、自分でできる対策などを解説します。(編集部)
これによって、トラブルも増えてきている。知らない人や企業から送られる製品宣伝、ネズミ講まがいの怪しい商売の案内の電子メール、下品な電子メールの類。こんなメールが届いて、嬉しい人は少ないだろう。送る側はあなたの気持ちがどうであれ、あなたにアクセスしたいのだ。
では好まない人からアクセスされない方法はないのか?一番の方法は、あなたのプライバシー情報を公開しないことだ。自分では意識していないうちにあなたのプライバシー情報を発信していないだろうか?自分の情報を発信する時には責任を持とう。以下のケースは、よく見受けられるものだ。
メールアドレスが唯一のコミュニケーションの接点であるメーリングリストの場合、参加者の素性はさまざま。参加者の一部の人へのつもりで、自分の電話番号をメーリングリストに流すと、全参加者に伝わってしまいイタズラされる原因になる。
また、一部のメーリングリストでは、コミュニケーションを円滑にするために過去のメールの内容をWWWで読めるようにしているところもある。その内容が検索エンジンなどでひっかかったりする可能性もあり、メンバーだけに送ったつもりがそうでなくなっていることも考えられる。
個人の嗜好と個人情報が収集できるので、別な目的に使われる可能性が高い。特に、「収集情報は、他の目的には使いません」と書いていない場合は要注意だ。
ホームページを見ていると、「ホームページをみた人はこのボタンを押してください」と書いているサイトがある。これが訪問者ボタンだ。このボタンを押すと、電子メールを送る仕組みになっているものが多く、あなたの電子メールアドレスを相手に教えることになってしまう。突然「訪問をありがとう」なんてメールを受け取って驚いたことがある人もいるのでは?
もちろんこのボタンがあるからといって、悪意を持った人とは限らないが、少なくとも相手にアドレスが伝わることは覚えておく方がよい。
中には、住所、電話番号、氏名、趣味まで書いている人がいる。これは世界中に宣伝しているようなもの。最低限の情報にしよう。
ソフトウェアで電話番号など個人情報の入力を要求された場合、不正確に入力してもそれが動作に影響を及ぼすソフトは少ない。ネットワーク会話型の場合、相手に個人情報が分かってしまうソフトもある。
自分が使用しているマシンが目の前にあっても、その先は悪意を持った人がいるかもしれない(善良な人も数多くいるが)。何故、その入力が必要なのか?疑問を持って、注意を払うようにすれば、インターネットをより楽しく過ごすことができる。自分の個人情報は、自分で守ろう。
('98/2/12)
[Reported by 古川泰弘]