【新連載】

個人でできる!セキュリティの基礎知識

第2回:情報を発信する前に考えよう

 最近「セキュリティ」についてよく耳にします。もちろんプロバイダーやシステム管理者がやるべきこともありますが、まずはその前に身近なところで、自分のセキュリティから見直してみましょう。この新連載では、セキュリティを守るために、知っておいたほうがいいこと、自分でできる対策などを解説します。(編集部)


 インターネットは世界中とつながって、とても便利なもの。しかし、これを逆に考えると、インターネットにつながっている世界中の誰もが、あなたへのアクセスが簡単だといえる。つまり、あなたが好まない人からもアクセスが容易ということだ。

 これによって、トラブルも増えてきている。知らない人や企業から送られる製品宣伝、ネズミ講まがいの怪しい商売の案内の電子メール、下品な電子メールの類。こんなメールが届いて、嬉しい人は少ないだろう。送る側はあなたの気持ちがどうであれ、あなたにアクセスしたいのだ。

 では好まない人からアクセスされない方法はないのか?一番の方法は、あなたのプライバシー情報を公開しないことだ。自分では意識していないうちにあなたのプライバシー情報を発信していないだろうか?自分の情報を発信する時には責任を持とう。以下のケースは、よく見受けられるものだ。

1:メーリングリストで不用意に情報(電話番号等)を発信しない

メールアドレスが唯一のコミュニケーションの接点であるメーリングリストの場合、参加者の素性はさまざま。参加者の一部の人へのつもりで、自分の電話番号をメーリングリストに流すと、全参加者に伝わってしまいイタズラされる原因になる。

 また、一部のメーリングリストでは、コミュニケーションを円滑にするために過去のメールの内容をWWWで読めるようにしているところもある。その内容が検索エンジンなどでひっかかったりする可能性もあり、メンバーだけに送ったつもりがそうでなくなっていることも考えられる。

2:プレゼントやアンケートで誘う個人情報収集ページに書き込む前に考える

 個人の嗜好と個人情報が収集できるので、別な目的に使われる可能性が高い。特に、「収集情報は、他の目的には使いません」と書いていない場合は要注意だ。

3:訪問者ボタンを押す前に考える

 ホームページを見ていると、「ホームページをみた人はこのボタンを押してください」と書いているサイトがある。これが訪問者ボタンだ。このボタンを押すと、電子メールを送る仕組みになっているものが多く、あなたの電子メールアドレスを相手に教えることになってしまう。突然「訪問をありがとう」なんてメールを受け取って驚いたことがある人もいるのでは?

 もちろんこのボタンがあるからといって、悪意を持った人とは限らないが、少なくとも相手にアドレスが伝わることは覚えておく方がよい。

4:ホームページやメールの署名(シグネーチャ)に個人情報を入ない

 中には、住所、電話番号、氏名、趣味まで書いている人がいる。これは世界中に宣伝しているようなもの。最低限の情報にしよう。

5:ソフトウェアの設定での個人情報入力は最小限に

 ソフトウェアで電話番号など個人情報の入力を要求された場合、不正確に入力してもそれが動作に影響を及ぼすソフトは少ない。ネットワーク会話型の場合、相手に個人情報が分かってしまうソフトもある。

 自分が使用しているマシンが目の前にあっても、その先は悪意を持った人がいるかもしれない(善良な人も数多くいるが)。何故、その入力が必要なのか?疑問を持って、注意を払うようにすれば、インターネットをより楽しく過ごすことができる。自分の個人情報は、自分で守ろう。

('98/2/12)

[Reported by 古川泰弘]


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