【新連載】

個人でできる!セキュリティの基礎知識

第1回:パスワードを再チェック

 今回から毎週金曜日に計5回、セキュリティの初歩の初歩についての新連載をお届けします。最近「セキュリティ」についてよく耳にします。もちろんプロバイダーやシステム管理者がやるべきこともありますが、まずはその前に身近なところで、自分のセキュリティから見直してみましょう。この新連載では、セキュリティを守るために、知っておいたほうがいいこと、自分でできる対策などを解説します。(編集部)


 セキュリティの基本はユーザIDとパスワードだ。コンピュータに入るときには利用者をユーザー名で表わし、利用者を区別する。利用者しか知るはずのない「パスワード」を入力することで、その人が正当な利用者であることをコンピュータに証明するわけだ。もし、不正に利用された場合、自分が被害を被るだけでなく、そのコンピュータ全体が侵略され、さらにはSPAMメールなどで他のサイトの人にも被害を与えることも考えられる。そこで、今回は基本に戻ってパスワードの管理方法を再チェックしよう。心当たりのあるところは、ぜひ改善されたい。

1:アルファベットと数字と記号を混ぜる、名前は厳禁!

 自分の名前や誕生日、電話番号などをパスワードに使っている人は意外と多いが、これはやめよう。やはり、パスワードは人が予想できないような文字列にするのが基本だ。

 パスワードには、アルファベットのほかに、数字(0~9)、記号(#!%&+-?!など)、大文字小文字を利用できるのをご存知だろうか。そこでこれらアルファベット・数字・記号を取り混ぜてパスワードを付けよう。利用する文字の種類を多くすれば、組み合わせの数が複雑になり、解読される確率が低くなるからだ。ニフティサーブなど、最近では、この3種類を組み合わせないと設定できなくなっているところもある。とはいっても、自分が覚えられないような複雑なパスワードをつけてしまい、デスクトップの付箋やファイルなどで残しておくなんてことは厳禁だ。

 また、好きなタレントの名前やキャラクターの名前、辞書に掲載されている単語などは付けてはならない。これらの「単語リスト」と、専用のプログラムを使って、クラッカーたちはパスワードをクラックしているのだ。


2:もらったパスワードは即変更

 企業や学校では、ユーザIDとパスワードを与えられたまま使っている人もいるかもしれない。この場合は各自変更してもらうことを前提としているので、解りやすいパスワードが付いていることが多い。心当たりのある人は、すぐにでもパスワードを変更するべきだ。

 また、長い間同じパスワードを利用していると、やはり解読される確率が高くなる。定期的にパスワードを変更しよう。なお、変更するときには、さらにその前に使っていたパスワードを再利用するのは禁物だ。

3:パスワードはどこも同じにしない

 プロバイダー以外にも、WWW上の会員サービスなど、ユーザーIDとパスワードを必要とするところは多い。それらをすべて同じパスワードにしておくと、どこか一カ所のパスワードが漏れたとき、そのほかのところでも利用できてしまう。すべて違うものを利用するのがベストだが、やはり面倒なもの。せめて、IDとパスワードで買い物ができる決済サービスやプロバイダーのパスワードと、誰が管理しているかわからない一般のWWW上の会員サービスはパスワードを別にしよう

4:不審な問い合わせには御用心

 銀行などと同じで、インターネットでも電話や電子メールでパスワードを聞いてくるということはまずない。もし問い合わせがあった場合には、こちらから担当者を聞いて、電話をかけ直そう。

5:コンピュータ専用電話番号も一種のパスワード

 企業や大学のコンピュータに入るための専用電話の番号は、パスワード同様に扱いには注意しよう。外部(インターネット)からの攻撃に対してはファイアウォールなどで対策してあっても、内部(イントラネット)は比較的セキュリティが甘いことが多いため、内部に直接接続できる専用電話が一度突破されると影響は大きい。利用する人以外に専用電話番号は教えてはならない。

('98/2/6)

[Reported by 小林千寿 / 坂本純子]


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