インターネットを中心とした情報通信や放送の実態について統計データをとりまとめた2006年の「情報通信白書」が7月4日に総務省から公表された。今回は、ブログやSNSに代表される「消費者情報発信型メディア」(CGM:Consumer Generated Media)の利用状況についてとりあげる。
● CGMサービス利用者は増加中
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ブログ及びSNSの登録者数の推移
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情報通信白書では、ブログとSNSを“消費者発信型メディア”としてまとめてレポートしている。「ブログ及びSNSの登録者数」の調査では、2006年3月末のブログ登録者数は868万人で、前年同期の335万人から約2.6倍に増加。また、SNS登録者数は716万人と、前年同期の111万人から約6.5倍へと飛躍的な伸びを示した。
ただし、上記の数字は利用サービスに重複回答を許すものでのべ人数となる点に注意したい。例えば、1人のユーザーが3つのSNSサービスを利用している場合、上記調査結果では、3人とカウントされていることになる。
白書ではブログやSNSについて、「ブログやSNSは、閲覧専門であった多数の利用者が情報発信者となることを容易にし、インターネットに対する情報供給の増大に貢献している」とコメント。「このような情報供給主体のすそ野が広がるにつれて、インターネットのデータベースとしての価値を飛躍的に高めている」と分析している。
● ブログの更新は約7割が週2回以上
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ブログ開設者の1週間当たりの書き込み件数
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白書では、ブログ開設者の1週間当たりの書き込み件数についての調査も掲載。「ICT(Information Communication Technology)と購買行動調査」というオンラインコミュニティサービスと購買行動との関連を調査した結果をもとにしているため、電化製品購入者と化粧品購入者を別にまとめている。
調査によると、1週間に2~3回更新するユーザーがもっとも多く、電化製品購入者で35.5%、化粧品購入者で37.5%とユーザーの約3分の1を占める。電化製品購入者と化粧品購入者では化粧品購入者の方が更新頻度が多い傾向があるが、週に2回以上更新するユーザーは電化製品購入者では69.1%、化粧品購入者では77.3%といずれも過半数を占めた。
白書ではブログが普及した要因について、「テキスト入力のみで簡単に自分のページを作ることができる」「無料で利用できる」「携帯電話からも更新や閲覧ができる」「トラックバック・RSS配信などコミュニケーションを活性化するツールがある」などを挙げた。中でも、相互リンクトラックバックと、プッシュ型閲覧を可能にするRSS配信は“ブログを特徴づける重要な要素”と分析。現在は、ブログ専門の検索サービスのほか、ブログで話題になっているキーワードを表示するサービスなど、CGMから抽出したデータを提供するサービスの登場を紹介している。
● 企業におけるCGMの主な役割は自社イメージの向上
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企業のブログ・SNS利用状況
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白書では、企業におけるブログやSNSなどのコミュニティサービスの利用についても触れている。「企業のICTネットワーク利用状況調査」によると、企業のブログ・SNS利用状況は、「広報など企業イメージの向上」とする企業が11.9%で最も多く、次いで「社内のコミュニケーション、ナレッジマネジメント」9.3%、「販売促進」9.0%が続く。
結果について白書は、「企業側から見ると、SNSの利用者の登録・公開情報を利用し、利用者の趣味やニーズに応じた広告を表示するなど、マーケティング戦略上の利点があると考えられる。既に広告収入以外にもいろいろなビジネスモデルが構築されつつある」と分析している。
またSNSの特徴については、「会員制」「登録者の非匿名性」「各種コミュニケーションツールの充実」といった3点を指摘。「SNSでは、信頼性を確保するため、既存利用者からの紹介がないと登録できない仕組みを採用していることが多い。このため、クローズドなコミュニティとして、会員間に高い信頼性が保たれている。また、実名を公表する人も多く、掲示板等で散見される誹謗中傷等の行為はあまり見られない。なお、多くのSNSでは、ブログ等のツールが利用可能となっており、SNSは『会員制のブログ』と呼ばれることもある」と解説している。
関連情報
■URL
情報通信統計データベース「情報通信白書」
http://www.johotsusintokei.soumu.go.jp/whitepaper/whitepaper01.html
■関連記事
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・ 総務省、2006年の「情報通信白書」を公表(2006/07/04)
( 野津 誠 )
2006/07/13 10:58
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