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お隣中国の地図サイト事情〜Google Mapsより人気の地図サービスとは


 日本の地図サイトは、Google MapsやYahoo!地図など著名なもののほかにも、本誌連載「趣味のインターネット地図ウォッチ」で紹介しているように、さまざまなサービスがある。

 海の向こうの中国でも、百度やGoogleが地図サービスを提供しているが、それ以外にもさまざまな地図サイトが存在する。先日、中国のIT系メディア「天極網」が地図サイトの利用実態についてのレポート「2006年中国ネットワーク地図検索利用者調査報告(中文、http://data.chinabyte.com/427/3053427.shtml )」を発表した。ここでは、この調査結果を紹介しつつ、「へぇ、こんなのあるんだ」と思うような中国の地図サイトも合わせていくつかご紹介しよう。


中国の利用者は実用性重視で、Google Mapsや百度地図は不人気

 天極網の調査によると、中国のインターネット利用者の地図サイト利用の目的は、「レストラン情報」25%、「ホテル情報」20%、「地理位置を確認」17%、「公共交通(バス、地下鉄)の確認」17%、「娯楽目的」12%、「ドライブでの利用」9%となっており、地図サイトを趣味として利用する人は少数派だ。

 1回の地図サイト閲覧でかかる時間についての質問では、「10〜30分」32%、「30分以上」31%の回答が多く、以下、「10分以下」16%、「1時間くらい」11%、「1時間以上」10%と続く。また、利用頻度では「毎日使う」32%、「週に数回」23%、「月に数回」26%、「季節に数回」10%、「基本的に利用しない」9%となった。

 地図サイトでチェックする都市について、「全国各地」は20%と少数派。「北京」22%、「上海」17%、「深セン」16%、「広州」15%、「武漢」10%など、特定の一都市を挙げた利用者が多数派を占めた。これら沿岸部の大都市においてはPCやインターネット利用が比較的普及していること、これらの大都市に特化した地図サービスが存在することが理由として挙げられるだろう。

 インターネット利用者が常に利用する地図サイトとしては、検索サイトの百度が提供するGoogle maps中国版こと「Google地図」は0.4%、また「百度地図」は0.1%と利用者はごく少数派。中国ではこれらポータルサイトの地図サービスではなく、地図に特化した地図ポータルが圧倒的人気となっている。中国の利用者は、ポータルサイトと地図サイトを使い分けていることが伺える。


「Google地図」で上海を表示した画面。中国ではGoogleの地図サービスはあまり人気がない 「百度地図」で上海を表示した画面。中国では利用者が検索ポータルと地図ポータルを使い分けているようで、百度の地図サービスも利用者は少数派

中国地図サイトの新しいトレンド〜クォータービュー3D地図

 さて、中国で人気の地図ポータルサイトだが、日本では聞いたことのない名前ばかり。そこで、人気サイトを筆者自身が見て、面白いと思ったものをいくつかピックアップしよう。上記の見出しの通り、Google Earthでもない、航空写真でもない、クォータービュー(斜めからの視点)の3D地図のアプローチで人気を博す地図サイトをいくつか紹介しよう。

 「E都市(中文、http://www.edushi.com/ )」と「都市圏(中文、http://www.o.cn/ )」というサイトがクォータービューの3D地図で人気を博している。実際、上で紹介した発表の中のインターネット利用者が常に利用する地図サイトの質問において、E都市(12.6%)も都市圏(9.2%)も比較的高い支持を得ている。百聞は一見にしかず。まずは見てもらいたい。


「E都市」で上海のホテルを表示 「E都市」で上海の東方明珠塔付近を閲覧

「E都市」で北京の地図を表示すると、簡易マップが表示され、赤文字をクリックすると、そこの地図がまず表示される 「E都市」北京の天安門広場付近を表示。毛沢東の肖像画も再現している

「都市圏」で上海の東方明珠塔周辺を表示 「都市圏」で北京の天安門広場、故宮付近を表示

 使用感としては、シムシティのような画面に「おおっ!」と驚くのだが、一方でサーバーからのレスポンスが重く感じる。日本からのアクセスであれば、中国国内からよりもさらに速度は遅く感じるだろう。

 一見すると、「E都市」と「都市圏」の地図は互いによく似ている。同じのようにも見えるのだが、よく見ると角度が少し違うほか、ディテールや細かい機能が異なるなど差別化が図られている。


天安門広場の毛沢東の肖像画(E都市) 天安門広場の毛沢東の肖像画(都市圏)。角度やディテールがE都市とは少し違う

 クォータービューのCG地図だけあって、手間ひまがかかるためか、E都市・都市圏いずれのサービスでも、主要都市の市街地エリアしかサポートしていない。従って、たとえば万里の長城などは両地図ともに拝むことができないわけだ。現在のところ、「E都市」は中国全土の大都市を中心に数十都市、「都市圏」は広東省や中国南部の都市を中心に7都市の地図を提供しているが、両サイトとも、地図が表示できる都市を今後増やしていくようだ。

 蛇足になるが、クォータービューということは東西南北の方角も斜めとなる。中国の道というと、北京や西安など碁盤の目状に道路が走る歴史ある都市はもとより、上海など近代にできた都市でも方角を意識した道のデザインとなっている。

 道を聞くと、場所によっては「この道をまっすぐ行って、2番目の十字路を南に行ってください」というように、方角で道順を説明するところもあるほどで、方角にはこだわりがある。ところが、クォータービューの地図サービスは好評だという調査結果が出ていることから、いまどきの中国人は伝統的な方角の感覚は地図サービスには要求しないのかもしれない。


伝統的な平面視点の地図も創意工夫された地図サービスあり

 クォータービューの地図は新しいタイプの地図であり、主流は日本と同様に平面視点の地図だ。多くの人気の地図サイトは2D地図を提供している。たとえばGoogle地図は人気地図サイト「mapabc(中文、http://www.mapabc.com/ )」によるものだし、百度地図も同じく人気地図サイトの「Mapbar(中文、http://www.mapbar.com/ )」が提供している。

 前述したとおり、インターネット利用者が常に利用する地図サイトとしてひは、mapabc(13.4%)は1番人気で、Mapbar(8.0%)も比較的高い人気を得ている。「E都市」や「都市圏」などクォータービュー地図とは異なり、こちらは2Dの平面地図であるため、中国全土の都市はもちろんのこと、都市間を結ぶ幹線道路や、小都市まで網羅している。

 この類のサイトでは、自社の地図データを基点に、レストラン情報やホテル情報などのお勧めスポットの情報や、不動産情報、交通情報、友達を作りたい人の情報報などさまざまな情報を地図データとリンクさせ、かつそれらの情報を利用者が書き込んで共有することで、Web 2.0的な地図のポータルサイトとなっている。

 利用者に地図を使った交流の場を設けるだけでなく、「24時間営業の薬局一覧」「クーポンつきマクドナルド地図」「近郊の温泉スポット」などのテーマに絞った地図もときどきリリースし、話題を提供している。また、たいていは中国国内のある都市からこの類の地図サイトにアクセスすると、その都市の地図がまず表示される。中国は利用するネット端末のIPアドレスでその端末のある場所が都市レベルで特定できるためだ。中国のネットインフラだからこそできる芸当といえる。


「Mapbar」で、ディズニーまがいのキャラ使用で話題になった石景山遊楽園を検索。好評度は3つ星 「mapbar」による北京の書店をテーマにした地図

「Mapbar」による北京近郊の温泉をテーマにした地図 「mapabc」によるバスルート検索地図

「mapabc」によるマクドナルド絞り北京地図 「mapabc」による天気予報地図

 人気の地図サイトのひとつ「我要地図(中文、http://www.51ditu.com/ )」では、地図プログラムと都市の地図をフリーでダウンロードするサービスを提供している。我要地図は元々のWebサイトでは他社と違い純粋に地図のみで勝負しているが、実際に使ってみても他社よりもシンプルでわかりやすく、かつレスポンスも早い。このため、上に挙げたインターネット利用者が常に利用する地図サイトについての統計では、11.1%とかなり高い支持を得ている。


フリーソフト「我要地図」プログラム本体をダウンロードしたら必要な都市の地図データをダウンロード フリーソフト「我要地図」でラサを表示した画面

 さて、ここまでさまざまな地図サイトを紹介してきた。中国でもたくさんの地図サービスが提供されているのだが、中国人の利用者は、地図サービスの現状についてまだまだ満足していないようだ。その原因としては、「レスポンスが遅い」が25%で最多。以下、「データが少ない(23%)」「地図が正確でない(21%)」「更新速度が遅い(17%)」「操作が複雑(14%)」という不満が挙がっている。

 中国でも、今後さらに改善された地図が出るだろうし、改善された地図サービスがリリースされ、既存のサービス提供者のシェアを奪うこともあるだろう。面白い新サービスなどが提供された際には、随時レポートしていこうと思っているのでご期待いただきたい。



( 山谷剛史 )
2007/05/17 14:09

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