複数画像を一括できれいに拡大・縮小「藤 -Resizer-」

●こんなところが便利！

　複数のファイル、またはフォルダをドラッグ&ドロップするだけで、画像のサイズ変更、ファイルタイプの変換、画像の補正、HTML出力までまとめて可能。補正時には複数の効果を適用できるので、写真全てを指定サイズに縮小しながら、明るく補正し、シャープネスをかけ、別フォルダに保存するといった処理が1回のドラッグ&ドロップで完了する。指定した補間方向を用いたファイルの拡大も可能。

●操作はシンプルだが、機能が豊富

　デジタルカメラの写真が、掲載する場所に対してサイズが大きすぎる、微妙に暗い、シャキッとしないなどというときは補正を余儀なくされるわけだが、量が多いほど時間を取られてしまう。枚数を見ただけで根を上げてしまうこともあるだろう。そんなときはまとめて処理してくれるツールが便利だ。

起動時の「藤 -Resizer-」筆者の環境ではWindows 7でも動作した

　「藤 -Resizer-」は、シンプルなインターフェイスながら機能が豊富で、画像のサイズ変更、ファイルタイプの変換に加え、多彩な「効果」が適用できるツールだ。ウィンドウ内の条件を設定したら、ファイルまたはフォルダをドラッグ&ドロップするだけで、指定した「ファイル名の生成規則」にしたがってファイルを保存する。結果がWebブラウザで確認できるHTMLの出力も可能だ。

　サイズ変更では、ピクセル指定が可能な「絶対指定」、または、パーセントで指定できる「相対指定」が選べ、縦横比の維持指定も可能。サイズ変更の条件としては「幅基準」「高さ基準」「長辺基準」「短辺基準」「最大」「最小」の6種類のうち1つを選ぶ。「向きが不揃いの画像に対して、縦または横を最大150ピクセルにそろえたサムネイルを生成したい」というときは、大きさで幅と高さを150ピクセル、大きさの指定は「絶対指定」、条件を「長辺」にするとよいだろう。

　扱えるファイルは、GIF、JPEG、BMP、PNGの4種類で、「雛形」にはあからじめ各ファイルタイプへの変換設定がプリセットされている。ファイルを変換するだけなら、該当する形式を選択したら、ファイルをドラッグ&ドロップするだけで処理できる。

　サイズ変更やファイルタイプの変換に加え、同時に適用できる「効果」の種類が多いのも「藤 -Resizer-」の大きな特徴だ。オリジナルファイルを残しながら、「白色化」「切り抜き」「反転」「回転」「ガンマ補正」「正規化」「輝度補正」「コントラスト補正」「ノイズ除去」「輪郭強調」「白黒化」という11種類の効果を、適宜組み合わせられるのだ。それぞれの細かい調整は「値」で行うが、処理後の結果はプレビューできないので、結果を見ながら対象となる効果の「値」で数値を調整するといいだろう。

　処理後のファイル名は、「ファイル名の生成規則」に従う。初期設定では「オリジナルファイル名_s.bmp」となるので、JPEGファイルを縮小したいだけなら、拡張子を変更するのを忘れずに行いたい。また、初期設定ではオリジナルファイルと同じフォルダに保存されるため、別フォルダに保存したいときは、「%p\thumbnail\%n_s.jpg」などとすると、「thumbnail」フォルダが生成され、書き出されたファイルを保存できる。ただし、生成規則に全角は使えないようだ。また、ファイルの重複については、「設定」の「出力」で「ファイル名の衝突を避ける」をチェックしておけば、同じネーミングルールで処理をくり返しても上書きされず、番号が付与されて新規保存されるので安心である。

「大きさ」「大きさの指定」「条件」「ファイル名の生成規則」を設定する	初期設定状態でも使えるが、「設定」を開くと、じつに多くの設定が可能になっていることがわかる	「効果」では、複数の処理を合わせて利用できる

サイズを長辺400ピクセルに縮小しつつ、「コントラスト補正」と「輪郭強調」を施した例	「効果」の仕上がりは「値」で調整する	長辺150ピクセルのサムネイルをもつWebアルバムを作成するために、「HTMLを出力する」にチェックを入れる

「雛型」から「HTML 詳細テーブル」を選択	ファイルをドラッグ&ドロップすると、template.htmlが生成された	ファイルの拡大が可能な場合は、指定した補間方法で、できる限り綺麗に拡大する