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Mac OS X向け仮想マシンソフト最新版「Parallels Desktop 12 for Mac」
2016年8月23日 15:40
パラレルス株式会社は23日、Mac OS X向け仮想マシンソフトの最新バージョン「Parallels Desktop 12 for Mac」の国内販売を開始した。価格(税込)は8500円。バージョン10/11のユーザー向けのアップグレード版も5300円で提供される。
新バージョンでは、前バージョンから最大90%高速化されているほか、仮想マシンのサスペンドが60%、Windowsのフォルダーパフォーマンスが最大25%高速化されたという。バッテリー駆動時間も最大10%向上する。
また、現在ベータ版が提供されている「macOS Sierra」での動作を新たにサポート。macOS Sierraでストレージを最適化する新機能「Optimized Storage」にも対応する。
このほか新バージョンでは、20の単機能ツールがまとめられた「Parallels Toolbox for Mac」も新たにバンドルされるほか、500GBのクラウドバックアップストレージを含む「Acronis True Image」の1年版サブスクリプションが付属する。
Mac OS X向けの仮想マシンソフトであるParallels Desktopは、MacがIntelチップを搭載した直後に登場してから10年が経過。これまで、簡単にMacでWindowsを使用できるという思想で製品を開発してきたという。
パラレルス代表取締役の下村慶一氏は新バージョンの12について、「MacでWindowsを使用しているユーザーが抱える悩みにアプローチし、機能アップグレードにとどまらない、より使いやすく完成度の高い製品を提供することで、MacでWindowsを使用するユーザーのうち50%のシェア獲得を目指したい」とした。IDCによる調査では、Macユーザーの30~40%がWindowsを使用しているとのことだ。
下村氏は「仮想環境のバックアップがこれまで課題だったが、『Acronis True Image』をバンドルすることで、仮想環境の差分バックアップに対応する」とした。また、パッケージ流通が充実している日本ならではの販売形態として、「3年版と乗り換え版、USBメディア版、Proエディションのパッケージ版もラインアップし、買いやすい環境を整えたい」と述べた。
米Parallelsシニアプロダクトマネージャーのカート・シュマッカー氏は、Parallels Desktop 12 for Macのデモを行った。「製品を使い始めて、まず困るのは仮想マシンにWindowsをインストールすること」とし、Windows 10のライセンスを起動してすぐに購入できる新機能を紹介した。
いったんWindowsを起動した後、「Always Keep Background」の新機能を利用すれば、仮想マシンの起動を待つことなく、Windowsアプリケーションを即座に利用できる。CPUやメモリは消費しないとのことだ。また、Windows Updateを指定時刻に実行するメンテナンスのスケジュール機能も新たに追加され、ダウンロードと実行に時間がかかるWindows Updateを自動実行できる。Windows側で設定されたスケジュールは上書きされるとのこと。
Mac OS XのDockに登録したWindowsアプリケーションを、Mac OS Xの標準機能である「Always Hide Others」に設定すると、ほかのアプリウィンドウを最小化して目的のアプリを起動できる。20の単機能ツールからなるParallels Toolbox for Macは、Mac OS Xのメニューバーに常駐して、スクリーンショット、スクリーン操作の動画記録と共有、YouTubeやFacebookといった動画の保存機能などの機能を利用できる。
このほか、Xbox Oneで実行するゲームアプリなどをリモートで楽しめるWindows 10の「Xbox」アプリや、Windows 10 Anniversary Updateの新機能「Windows Ink」もサポートする。Windows Inkの機能は、iPadアプリ「Astropad Graphics Tablet」をインストールしたiPadからApple Pencilで書き込みを行い、これをMacに転送することで、仮想環境で動作するWindows 10 Anniversary Updateへと書き込みを行える。