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「撮影の事前告知はしない」ストリートビュー会見一問一答


 グーグルは4日、「Google マップ」の「ストリートビュー」機能について、今後の取り組みに関する記者会見を開催した。製品開発本部長の徳生健太郎氏やプロダクトマネージャーの河合敬一氏らが報道陣の質問に答えるかたちで、「ストリートビュー」機能のこれまでの取り組みや、プライバシーの配慮に関する今後の方針などを明らかにした。

撮影の事前告知はしない


グーグルプロダクトマネージャーの河合敬一氏

――(プライバシー配慮の対応を発表した)2009年5月以降、ユーザーから寄せられた画像の削除要請の件数は。

河合氏:具体的な件数は非公開だが、全体の画像から見ると極めて少ない割合だ。2008年8月の「ストリートビュー」公開以来、削除依頼の件数は常に減っていて、最近ではほとんどない状態。数字を公表しない理由については、具体的な数字が独り歩きすることを避けたいと考えているためだ。

――「ストリートビュー」では、地域の住民が知らない間に撮影されているのが問題だと思うが。

広報部長の船橋義人氏:撮影前の広報活動は難しい。基本的にはWebサイトに公開する「撮影中のエリア」で見てもらう(ことで対応する)。また、自治体の協力が得られる場合には、広報活動を試みたいと考えている。(ストリートビューの概要を記載した)パンフレットについても、協力してもらえる地域には配布することで告知したい。

――撮影車で(事前に)広報することは考えていないのか。

河合氏:「ストリートビュー」の撮影車には、グーグルの名前が目立つようになっている。撮影車を使って大きな声でアナウンスすることは考えていないが、我々が誰であるかは明記している。個別に訪問すべきという声もあるが、サービスの性質上、それは物理的に難しい。我々としては、広報活動を通じてサービスの意味と価値を理解してもらうことに注力したい。

――撮影車にグーグルの名前が貼り付けられているだけでは「撮影中」とはわからないのではないか。

河合氏:知名度の問題もあるが、基本的には「あれか」とわかってもらえる程度に、幸か不幸か有名になっている。現場(スタッフ)の声を聞いても、見ればわかるぐらいまでは認知されているようだ。

船橋氏:新しくこのエリアでサービスを開始するという場合には、例えば東京で記者会見をして、「○○県でサービスを始める」と発表するのではなく、現場に近いところで発表を行うことで周知を図っていきたいとも考えている。

――Webサイト上で「現在撮影中のエリア」を公開するだけでなく、事前に撮影の告知をしないのか。

徳生氏:「ストリートビュー」の目的は、街のたたずまいや風景を自然なかたちでとらえること。事前撮影情報を公開していない現在でも、撮影車に向かって手を振ったり、米国の事例では撮影者の後を自転車で付いていくというケースがあり、ストリートビューの価値が違うものになってしまうのではないかという恐れがある。こうしたことから、撮影車を待ち伏せできるような状況は作らないようにしたいと考えている。

都道府県・政令指定都市レベルの自治体には公開前に連絡


グーグル製品開発本部長の徳生健太郎氏

――今後は都道府県・政令指定都市レベルで同意を得た上で、「ストリートビュー」の画像を公開することが原則になるのか。

河合氏:そのようにしたいが、基本的に「ストリートビュー」は(画像の撮影や公開について)許諾を受けて行う事業ではないと考えている。各自治体にはご理解いただけるための取り組みを行っていきたい。

徳生氏:都道府県・政令指定都市レベルで「可能な限り」対応するのが前提。全自治体への説明は物理的に無理なので、強い要望があった際には、可能な限り説明する体制をとる。また、自治体から(公開を)やめて欲しいという声があったときには、説明の要望があれば対応する考えはある。

――現在グーグルは、(カメラの位置を従来よりも40cm下げ)すべてのエリアで再撮影をしているとのことだが、再撮影の画像や撮影部隊の規模は。

河合氏:写真は数千万に上ると思う。再撮影については、最初の撮影にかかったのが1年ちょっとだったので、それよりもかかると思う。具体的な日数については、天候などに左右されることもあるので、詳しいことは言えない。

――現在、日本の「ストリートビュー」では何都市の画像を公開しているのか。

河合氏:2008年8月に「ストリートビュー」をスタートした際に、12都市の画像を公開したが、それ以降エリアは拡大していない。今後新たに撮影する地域については、「どの地域で最もGoogle マップが利用されているか」「都市の人口はどのくらいか」といった要因に加え、季節や天候に応じても変わってくる。

削除要請画像は「一定期間」保管

――「ストリートビュー」の画像について、悪質や違法な二次利用については対応するとのことだが、「悪質」や「違法」はどのように判断するのか。

徳生氏:ユーザーから報告いただいた場合、「Google マップ」の利用規約に反するかどうかで判断する。また、明らかに違法であるかどうかについても判断基準となる。悪質ではない二次利用については、利用規約に反していない限り、こちらから削除要請などの対応を求めることはない。

――ユーザーから削除依頼要請があった画像について、グーグルは保管しているのか。

河合:データの保存については、地図やぼかし技術を改善するために、一定期間は保管する必要があると考えている。以前、私たちの誤解で「保管はしていない」と言ったが、確認の不足だったことをお詫びしたい。削除要請があった画像については、一定期間を経て保持しないようにすることは決めている。保管期間については現在、社内で調整しており、決定し次第、みなさんにお伝えしたいと考えている。


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(増田 覚)

2009/9/4 19:17

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