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米Google、Google MapsアプリでWazeのリアルタイム道路情報を表示

Google Maps for Mobileで、Wazeのリアルタイム道路情報が表示されるようになった(日本では未提供)

 米Googleは20日、「Google Maps for Mobile」のiOS/Android版にWazeによるリアルタイム道路情報の掲載を開始すると発表した。同時にWazeアプリでもGoogleサービスの提供を開始する。

 Wazeはイスラエルのテルアビブに本社を持ち、米Googleが6月に11億ドルで買収した。イスラエルで人気のクラウドソーシングによるリアルタイム道路情報サービスだ。Waze利用者が見聞きした道路情報をリアルタイムでアプリに提供するため、渋滞、事故を避けて目的地に素早く到達できることから大人気サービスとなった。

 「Google Maps for Mobile」iOS/Android版で、こうしたWazeのリアルタイム情報がトラフィックタブに表示される。情報の種類としては、事故、建設中の道路、道路閉鎖などが含まれる。

 なお、提供開始時から情報が表示されるのは一部地域のみだ。米国、英国のほか、アルゼンチン、ブラジル、チリ、コロンビア、エクアドル、フランス、ドイツ、メキシコ、パナマ、ペルー、スイスに限定されている。

 情報を提供したWazeの利用者は、Google Mapsでプロフィールを紹介されることはない。しかしWazeのポイントはこれまで通り提供される。Google Maps上では、Wazeによって提供された情報とのクレジットが表示される。WazeではGoogleに情報を提供するメリットとして、「あなたの報告が、仲間のドライバーをより大きな規模で助けられるようになる」とコミュニティーに説明している。

 並存するWazeアプリにも、Googleからの恩恵が受けられるようになる。バージョンアップされたWazeアプリのiOS/Android版には、Google検索機能が提供され、アプリ上から地元商店や企業の検索が容易になるなど機能が向上した。

 また、地図、事故、道路建設情報をコミュニティーが報告するために不可欠な「Waze Map Editor」にGoogleが地図データを提供する。提供されるのは、Googleストリートビューと衛星画像データだ。これによって、これまで不明確だった情報提供の精度を、より正確にできる。

 今後GoogleマップとWazeで、どこまで統合が進展していくかに注目が集まっている。これまで熱心に情報提供を続けてきたWazeコミュニティーをいかにして維持発展していけるかも重要な要因となりそうだ。

(青木 大我 taiga@scientist.com)