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Google、「忘れられる権利」の状況を可視化する「透明性レポート」更新、Facebookへのリンクを1万件以上削除

 米Googleは25日、欧州のプライバシーに基づく検索結果の削除リクエスト状況を更新した。

URL削除リクエストの総数

 2014年5月の欧州連合司法裁判所の判決で、個人の名前を含む検索キーワードによる検索結果の削除を検索エンジンに求める権利がユーザーにあると認められ、「忘れられる権利」として、個人の名前を含む検索キーワードによる検索結果の削除リクエストを受け付けている。検索エンジンは、寄せられた削除リクエストを個々に評価し、公益に資する場合にのみ検索結果の表示を継続する。

 URL削除リクエストの総数は、Googleが公式にリクエストの処理を開始した2014年5月29日からの累計で34万8085件、Googleが削除するかどうか評価したURLの総数は123万4092件。そのうち削除されたURLは42%。国別では、フランスやドイツは評価したURLの半数近くが削除されたのに対し、英国やスペイン、イタリアでは3分の1程度と、国によって傾向が異なる。

 「透明性レポート」では、5年間に重大な犯罪で有罪判決を受けたものの、判決が控訴審で破棄された個人から、事件に関する記事を削除するリクエストを受けて検索結果から削除した例や、児童ポルノ所持の罪で有罪判決を受けた司祭から、判決と教会からの追放を報じた記事を削除するリクエストを受けたが削除されなかった例など、23件のリクエスト事例を紹介している。

 また、削除されたURLのうち、上位10サイトのURLが全体の9%を占めるという。最も影響を受けたのが「www.facebook.com」で1万220件のURLが削除された。ほかには、「groups.google.com」「www.youtube.com」「plus.google.com」「twitter.com」などがある。

検索結果からほとんどのURLを削除したドメイン一覧

(山川 晶之)