バッファロー、「正式版11ac」対応Wi-Fi製品5種を近日発売

WZR-1750DHP

　株式会社バッファローは、改正が予定されている電波法関連規則に準拠した無線LAN規格「IEEE 802.11ac（以下11ac）」対応製品として、正式版11ac製品5種を近日発売することを決定したと発表した。11ac対応製品の正式発表は国内で初めて。発売日・価格など詳細は改正電波法関連規則の告示後に発表するとしている。

　「11ac」は、5GHz帯の電波を用いて433Mbps～6.93Gbpsの高速なデータ通信を行うことができる規格。IEEE（米国電気電子学会）でLAN技術の標準を策定している802委員会が規格を策定している。

　11ac規格では、IEEE 802.11nと同様、複数アンテナを搭載することで送受信帯域を広げるMIMO技術（Multiple Input Multiple Output）を採用することで高速化しているが、802.11nでは4本までだったアンテナ数も8本に拡張された。MU-MIMO（マルチユーザMIMO）にも対応。周波数帯域は最高で40MHz幅だったものが80MHz幅または160MHz幅まで利用可能となる。変調方式も、11nの64QAMまでから256QAMまでに拡張されている。

　規格には幅があるため、アンテナ数や対応する周波数帯域などで同じ11ac対応製品でも速度には幅がある。また、上記は理論値であり、実測値では他の電波の影響や距離による減衰などで理論値は下回ることになる。

　11ac規格の最大の特長である高速スループットにより、家庭内無線LAN対応のHDDレコーダーなどDLNA対応のAV家電、ゲーム機、パソコン、タブレット、スマートフォンなど多種多様な機器の通信を余裕を持って扱えることになる。また、最高スループットが上がることで、屋内の障壁などで電波が60％減衰するとしても、元が高速であるため、減衰しても11nまでの規格に比べ高速な通信が利用できることになる。

　バッファローでは今回、仕様の詳細や価格については現段階で明らかにしていないが、5GHz帯（11ac/n/a 最大1300Mbps）＋2.4GHz帯（11n/g/b 最大450Mbps）に対応したWi-Fiルーター「WZR-1750DHP」と、5GHz帯（11ac/n/a 最大866Mbps）＋2.4GHz帯（11n/g/b 最大300Mbps）に対応するWi-Fiルーター「WZR-1166DHP」の2台の発売を発表した。数値はいずれも理論値となる。

　「WZR-1750DHP」「WZR-1166DHP」それぞれに、親機と中継機／LAN接続子機を2台セットで販売するセットモデルも用意する。

　両モデルとも、帯域幅はZR-1750DHP及びWZR-1166DHPでは80MHz幅を採用。また、MIMO方式は、WZR-1750DHPではアンテナ3本（3多重）、WZR-1166DHPでは2本（2多重）となっている。

　なお、バッファローでは、電波法関連規則改正内容によって製品の仕様等が変更される場合があるとしている。

　11ac規格については、総務省が1日、導入に必要となる省令の改正案などについて、電波監理審議会からの答申を受けたことを発表している。

　総務省では具体的な時期については言及していないが、今回の答申を踏まえて速やかに制度整備を行うとしており、これが完了次第、日本国内でも11ac規格の製品が利用可能になる。バッファローが11ac対応製品の近日発売を発表したのも、こうした総務省の動きを受けてのものと思われる。

　総務省では、11acに準拠した次世代高速無線LANの導入に向け、電波法施行規則や無線設備規則などの省令改正案や、周波数割当計画の一部を変更する告示案を、電波監理審議会に諮問。電波監理審議会では、原案通りとすることが適当であるとする答申を行った。また、改正案に対して行った意見募集には、賛同する旨の2件の意見が提出されている。

縦置き正面

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横置き正面

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