電通とデジガレ、サイエンス領域の新会社、「necomimi」のノウハウ積極活用

　株式会社電通と株式会社デジタルガレージは1日、サイエンス領域における研究成果をビジネス化するための新会社「株式会社電通サイエンスジャム」を共同で設立したと発表した。資本金は1億8000万円で、出資比率は電通が66.7％、デジタルガレージが33.3％。

　両社によると、日本の最先端科学の研究成果には大きなビジネスの種になり得るものが多くあるが、科学者・研究者にとってビジネスに結び付けられる機会は限られ、優れた研究成果が必ずしも十分に生かされていないという。電通サイエンスジャムでは、科学者・研究者と連携しながら研究成果を活用した独自製品・サービスの企画・開発を行うほか、脳波を用いたリサーチ手法など、最新のマーケティングサービスも提供する。

　事業開発の第1弾としては、脳波計測・分析の研究で第一人者だという慶應義塾大学理工学部の満倉靖恵准教授と連携する。満倉准教授は電通サイエンスジャムの非常勤取締役最高技術責任者にも就く。

　電通はこれまでも、脳波コミュニケーションツール「necomimi（ネコミミ）」や、満倉准教授との共同プロジェクトとして、脳波の状況に基づいた音楽レコメンデーションエンジン「mico（ミコ）」を開発するなど、パイロットスタディを積み重ねてきたという。これらの経験を通じて蓄積したノウハウを、新会社の事業に積極的に活用していくとしている。