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RazerとSensics、オープンソースのVRヘッドマウントディスプレイ発売へ
VRゲーム普及のための開発者向けエコシステム「OSVR」設立
(2015/1/7 11:40)
ゲーム機器大手の米RazerとVR機器の米Sensicsは5日、VRゲームを推進するためのオープンソースエコシステムとなる「OSVR(Open-Source Virtual Reality)」の設立を発表した。ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を含むハードウェア/ソフトウェアを開発者向けにオープンソースで提供し、VRゲーム市場の実現・拡大を目指す。
Razerでは、HMDとソフトウェアを含む「OSVR Hacker Dev Kit」をOSVRに提供する。
OSVRでは、Unity 3DやUnreal 4 Engineなど人気ゲームエンジンをVRゲームで利用できるようにするほか、人気のHMD「Oculus DK2」やVrvanaのHMD「Totem」用のプラグイン、さらにBosch、Razer、Sixense、LeapMotionといったハードウェア企業のデバイスに対応したプラグインも提供する。
これにより、サードパーティーによるアプリ開発やハードウェア開発を容易にする。
OSVR Hacker Dev KitのHMDは、ディスプレイ部のサイズが5.5インチで解像度は1920×1080(401ppi)、60fpsに対応しており、パネル交換も可能だ。HMDモジュールには加速度計やジャイロスコープ、コンパスが統合されているほか、複数のUSB 3.0ポートを用意するなど、開発者がさまざまな部品を交換・テストしやすい工夫がされている。さらに、これをベースに新たなハードウェアも設計できるよう、HMDの3Dデータもダウンロード提供する。
OSVRのSDKは一部開発者に提供を開始しており、一般公開は今年第2四半期の予定。また、オープンソースHMDを含むOSVR Hacker Dev Kitは、6月に199.99ドルで提供開始予定となっている。
この取り組みを行った理由について、Razer共同創業者でCEOであるMin-Liang Tan氏は「ゲームは、仮想現実プラットフォームに向かいつつあり、これはあらゆるレベルのゲーマーにとって巨大な利点と課題を提起する。OSVRはゲーム開発者、ゲーマーおよびハードウェアメーカーとともにこれらの課題を解決し、『仮想現実』のゲームをごく普通の人々の『現実』とする」とコメントしている。