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座りっぱなしは健康に悪い? 人間工学に基づく製品を提供するエルゴトロン
(2015/7/2 06:00)
座りっぱなしによる健康への悪影響が問題視されるようになってきた。それにともない、立った状態や座った状態など姿勢を選んで仕事ができる昇降式デスクが、先進的な企業で採用例が出始めている。中には、立机にトレッドミル(ウォーキングマシン)が付いた、トレッドミルデスクというものまである。
ここ1~2年のトレンドのように思われがちだが、「われわれは5年前から昇降式デスクを開発しています」と、モニターアームをはじめ、人間工学にもとづいた製品を製造販売しているErgotronの日本法人、エルゴトロンジャパンの村上悟氏は語る。
村上氏は6月25日、PC商社のテックウインド株式会社が大阪で開催した、リセラーやSIer、ユーザー企業などを対象としたイベント「最新IT機器活用による販売力強化セミナー」に登壇。“座りっぱなし”の健康上の問題を論じ、それに対する自社製品を紹介した。
立つワークスタイルは、現在ではGoogleやFacebookなど世界の有名企業も導入。大手IT企業も、予定している新オフィスで電動昇降式デスクを全社的に導入する予定だ。古くは、アーネスト・ヘミングウェイ(作家)やトーマス・ジェファーソン(第3代アメリカ合衆国大統領)も立机で仕事していたという。
村上氏は「『Sitting Disease(座りっぱなしで生じる疾患)』が欧米で問題視されている」として、「Sitting is Killing You」「座るのは喫煙のようなもの」といった、インターネットで発信されている衝撃的なキャッチフレーズの図案を紹介した。
もともと2010年にスウェーデンの研究者が、長時間の座位姿勢が生活習慣病のリスクを高めるという論文を発表している。そのスウェーデンでは、電動昇降式デスクがオフィスの75%に導入されているという。
こうした背景をもとに、村上氏はエルゴトロンジャパンの昇降式デスクを紹介した。
最もオーソドックスなデスクタイプが「WorkFit D」だ。また、フリースペースなど用にキャスターつきのモデルが「WorkFit-C」。コンパクトなパーソナルデスクが「WorkFit-PD」だ。
既存の机に後付けするタイプもある。モニターやキーボードを机の後ろからアームでもち上げるのが「WorkFit-A」、机の手前側からアームでもち上げるのが「WorkFit-S」だ。
また、机の上にもう一つ天板状のものを置き、その板を上下させる「WorkFit-T」も登場した。
さらに村上氏が紹介したのが、エルゴトロンのサイトで公開されている「ワークステーション取付けツール」(Workspace Planner)だ。画面上に表示された身長の選択肢をクリックすると、椅子の高さや、座ったときの目の高さや肘の高さ、立ったときの目の高さや肘の高さなど、正しい姿勢のための各種数値が表示される。
なお、説明によると、肘は90度、ディスプレイの上辺が目の高さとなってチルトで少し上を向くのがよいという。
村上氏は最後に、「昇降式デスクは、これだけのために新しいお客さんを開拓する必要はない。いまのお客さんに提案すればよい」と、リセラーやSIerに向けて販売方法を提案した。
なお、セミナーのほかに展示会場にもエルゴトロンの各モデルの昇降式デスクが展示された。また、数十台のモバイル端末を鍵のかかった中に保管して充電する充電カートも展示されていた。