P2P技術採用のオンラインストレージ「Wuala」、サービス閉鎖を発表

　激しい競争が続くオンラインストレージ業界において、昨今サービス終了はそれほど目新しいわけではないが、このたび海外で著名なサービスである「Wuala」がサービスの終了を発表し、ユーザーの間で波紋を広げている。Wualaは日本国内でこそ利用者は少ないものの、ハードディスクベンダーとしても知られるスイスLaCie社が提供していたサービスで、P2Pの採用により事業者側ですらデータの解析が不可能と言われるセキュアな仕組みを売りにしており、SpiderOakと並んで知る人ぞ知る存在だった。今年に入ってすぐ無料プランが廃止されて有料プランに一本化されるなど、単体で利益を出す方向性への切り替えが模索されていたようなのだが、ユーザーには受け入れられなかったのか、1年も経たずに閉鎖と相成った。11月15日に予定される閉鎖までしばらくは読み取り専用モードとなるため、保存しておいたデータが取り出せないといった類のトラブルはなさそうだが、オンラインストレージで収益を上げることの難しさを改めて示したケースと言えそうだ。

◇WUALA SHUTDOWN NOTICE（Wuala Support）
https://support.wuala.com/2015/08/wuala-shutdown-notice/