■URL
http://www.w3.org/TR/1999/WD-SVG-19990211/
World Wide Web Consortium(W3C)は11日、Web上でベクター形式のグラフィックを表示可能にする言語「Scalable Vector Graphics(SVG)」のドラフトを公開した。専用のメーリングリストも開設し、標準化に向けて広く意見を募っていく。
SVGは2次元グラフィックをWebに表示するための言語で、ベクター形式のグラフィック、画像イメージ、テキストの3つのオブジェクトが扱える。従来、サイズの違う同一のグラフィックを表示する場合、それぞれ別の画像データを用意しなければならなかったが、SVGでは一つのベクターグラフィックを元に、サイズはもちろん、色やテクスチャーの異なる複数のグラフィックを表示できるようになる。現在Webデザインに用いられているCascading Style Sheets (CSS)、Document Object Model (DOM)といった仕様も、SVGで利用することが可能。SVGはXMLで記述されているため、Namespace、XLink、XPointerとの互換性を持つほか、コンポーネントとして提供することでHTMLの次期バージョンとも互換性を確保していく方針だ。
ベクターグラフィックスを記述する言語としては、すでに昨年4月、Adobe Systemsが「Precision Graphics Markup Language(PGML)」を提案し、IBM、Netscape Communications、Sun Microsystemsがこれを支持(本誌'98年4月14日号参照)。一方、6月にはAutodesk、Hewlett-Packard、Macromedia、Microsoft、Visioが「Vector Markup Language(VML)」をW3Cに提出(本誌'98年5月29日号参照)し、業界を二分する形となっていた。今回のドラフト作成にあたっては、両陣営のすべての企業のほか、Apple Computer、Corel、Quarkなども参加。今後は、SVGで標準化されるものと思われる。
('99/2/12)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]