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【業界動向】

EBI、電子書籍端末のコンセプトモデル発表

■URL
http://www.ebookjapan.co.jp/ebi_web/documents/news/010409.htm

イーブック端末 イーブックイニシアティブジャパン(EBI)は9日、電子書籍を閲覧するための「イーブック端末」のコンセプトモデルを公開した。高精細液晶を左右に2面搭載した折り畳み式のもので、紙の本と同じように見開きでページを表示できるのが特徴だ。

 イーブック端末のコンセプトとして挙げられているのは、本と同じ大きさと重さ、見開きで本が読めること、カラーの高精細液晶技術の採用など。電子書籍の端末として活用が見込まれているPDAタイプの端末は、もともと“手帳”の延長として設計されたものであるため、イーブック端末としてはディスプレイのサイズで不十分だったという。これに対しイーブック端末は、四六判250ページのハードカバー本と同じ大きさと重さ(約350グラム)で設計し、自然な感覚で読書できることを目標にした。ページめくりは、進む/戻るボタンによるシンプルなもので、読まない時は紙の本と同様に半分に折り畳める。

 搭載したディスプレイは、東芝が開発した7.7インチのポリシリコンTFT液晶。解像度は片面が横640ピクセル×縦960ピクセルで、ちょうどVGAを上下に2つ並べた解像度となる。これが、横が約12センチ、縦が約18センチのスペースに高密度で収まっているため、表示ピッチは0.1695mm。解像度は150dpiに達し、文庫本の読み仮名が読めるというイーブック端末の条件もクリアする。同社のポリシリコンTFT液晶では、従来の液晶に比べて部品点数が少なくできる、高密度化できる、頑丈にできるといったメリットがあり、電子書籍端末として最適だった。

 なお、今回公開された端末は、あくまでもコンセプトモデルだ。本を読む端末として「こうあって欲しい」(EBIの鈴木雄介代表取締役社長)という条件を形にしたもので「価格は無視」している。また、OSやフォーマット、その他のスペックなどについても未定であり、日本電子出版協会の会員などに意見を求めながら、商品化への課題を検討していくという。鈴木社長は、バッテリーの稼働時間は最低で5時間、価格はカラーで5~6万円、モノクロで2~3万円が目標だとしている。

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(2001/4/9)

[Reported by nagasawa@impress.co.jp]


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