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■URL
http://www.pfir.org/statements/icann
http://www.icann.org/announcements/announcement-19mar02.htm
http://www.eff.org/Infra/DNS_control/ICANN_IANA_IAHC/Auerbach_v_ICANN/20020318_eff_icann_pr.html
ドメイン名管理団体ICANNが激しく揺れている。各国家の利益代表が参加する国際団体といった形態をとらずに、グローバルな問題としてインターネットに参加するすべての人々から意見を結集する非営利団体として始まったICANNについて、創設に深くかかわった元米国大統領顧問Ira Magaziner氏は「前例のない実験」と評したが、この実験の結果が今問われようとしている。
事の発端は、ICANNの代表を務めるStewart Lynn氏がICANNの改変案を提言したことにある。この改変案では「ICANNの理事を全ての人々が参加するグローバルな選挙によって選出することを止めること」、「理事会に一部の国家の代表を含めること」などの骨子から成り、ICANN全体の業務遂行を早めようとするものだった。この提案は広く注目を浴び、特にすべての人々が参加する選挙をなくそうということに関して多くの反対意見が出た。
この直後に3月にガーナで開かれた会合では、結果としてすべての人が参加する選挙はあまりにも非効率的で最良の方法ではないとして廃止する方向で検討が進められ、理事の選任については次回の会合以降に話し合いが持ち越される格好となった。この会合の参加者の間からは議論の進め方などに関して一部で不満が表明されている。
また、18日にオンライン市民団体「EFF」がICANNへの提訴を支援するに至り、こうした不満がついに表面化した。提訴した北米選出のICANNの理事の主張によると、彼がICANNの記録閲覧を要求したにもかかわらず、ICANNはその閲覧には理事会による協議が必要であると述べたために閲覧できなかった、と主張している。
これに対してICANNは、翌日ただちに反論するプレスリリースを発表した。ICANNの代表Stewart Lynn氏は、この訴訟内容について調べた結果として「彼の主張は全く的外れで、事実を著しくねじ曲げるものだ」と激しく反論した。「ICANNは彼が記録を調査することを妨げるようなことをしたことは決してない。事実我々は何回か彼にこの記録を見せる機会を与えたことすらある」とコメントしている。ICANNの反論によると、ICANNの書類を閲覧するためにはICANNの守秘義務に従う必要があるが、彼はこれを拒んでいるために軋轢が生じているという。しかし本質的な意味において、この訴訟は「書類の閲覧」を巡る問題ではない。ICANNが本当にインターネットのドメイン管理団体として万人に認められる資格と正当性を有しているのかという問題に結果としては帰着する。
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こうした問題が生じている中、インターネットのさまざまな問題について積極的な発言を行なっている活動家3人が「ICANNの役割は失敗に終わった」との内容の公開書簡を19日公表し、ICANNを既存のNPOに移管してその役割を終わらせるように主張している。この活動家の一人はEFFの委員を務めているDavid J. Farber氏だ。この書簡は静かな文体ではあるものの「ICANNはその努力にもかかわらず、全体としてインターネットポリシーの開発、遂行、管理において失敗したと言える」と述べ、ICANNの役割を時間を限定したうえで既存のNPOか何らかの組織に移管することを提案している。3人はその一つの候補として「IAB（Internet Architecture Board）」を挙げている。書簡では「すでに一つのことに関しては広いコンセンサスが得られている～ICANNの現代表でさえ認めている～。それはICANNがひどく崩壊してしまっているということだ」と述べられている。
このようにインターネットのグローバルガバナンスを巡って多くの活動家たちがICANNの改革案に反対意思を表明し、インターネット上でさまざまな活動を繰り広げている。その一方でICANNの改革案に積極的に賛成している人々の声はそれほど表に出てきていない。利用者の立場からは現実的な問題としてインターネットのドメイン管理などが滞る恐れも出てきており、一刻も早い事態収拾が必要であるとの見方では両陣営の主張は一致している。
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(2002/3/22)
[Reported by taiga@scientist.com]
