■URL
http://www.shikoku-bt.go.jp/news/2002press/200208/2002083001.htm
総務省四国総合通信局などは、列車内での無線LAN接続サービス提供を検討する研究会「列車インターネットに関する調査研究会」を発足した。研究会では、複数のインフラを採用したインターネットへの接続や、車内限定のコンテンツ配信、運行業務への活用を検討する。
研究会の目的としては、無線系アクセス技術の動向調査、列車からのインターネット接続技術の検討、列車内における通信技術の検討などが挙げられる。さらに、アプリケーション技術の検討として地域コンテンツの配信や、指定席切符の発券とクレジットカードによる決済などの運行業務への利用も検討する。同研究会のメンバーは、NECやシスコシステムズなどのネットワーク機器メーカー、NTTドコモやKDDI、ジェイフォンなどの携帯電話キャリアのほか、香川県や香川大学、新居浜高専、JR四国などが含まれている。
また研究会では、11月中旬からJR高松駅~JR松山駅の約200kmの区間で実証実験を開始する予定だ。実験では、インターネット接続のほか、現在位置や観光地の情報など車内限定コンテンツが提供される。車内に蓄積されたコンテンツは、停車時に無線LAN接続を利用して更新される。
列車とインターネットは、走行中は無線LAN(2.4GHzと5GHz帯)と3G携帯電話(CDMA2000 1xやW-CDMA)、停車中は無線LAN(25GHz)と無線アクセス(60GHz帯、最大通信速度1Gbps)をそれぞれ適切なインフラに切り替えて接続する。また、インフラが変わっても同じIPアドレスで通信ができる技術「MobileIP」の研究も進める。
車内には、インターネットへの接続機器として60GHz帯の通信レシーバー、携帯電話アンテナ、無線LANのアンテナが設置され、インフラの切り替えを行なうルーター「Mobile Router」に集約されている。さらに、Mobile Routerは無線LANのアクセスポイントと接続して乗客へインターネット接続を提供する。ほかには、列車の位置情報を取得するためのGPSやIPカメラが設置され、各種コンテンツへの利用を模索するとしている。
研究会では、実証実験における技術的な検証や利用者へのアンケートなどを踏まえて、3月頃までには報告書をまとめる予定だ。
実験用ネットワークの全体図 |
車内のネットワーク図 |
実験期間中に車内に設置される予定の機器 |
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(2002/9/10)
[Reported by adachi@impress.co.jp]