【ブロードバンド】
Yahoo! BB、無線LAN付きの新型モデムを投入
|
トリオモデムについて説明する孫正義・ソフトバンクグループ代表/ビー・ビー・テクノロジー代表取締役社長(左)と、Yahoo! BBが無線LAN技術を活用して構築しようとしているユビキタス環境のイメージ(右) |
孫代表によれば、実はマクドナルドやスターバックスなどで試験提供中の「Yahoo! BBモバイル」ので無線アクセスポイントとしてすでにトリオモデムが投入されているほか、今後は学校や図書館などに寄付していくとしている。無線LANパックの契約者は、自宅の無線LAN環境だけでなく、これらYahoo! BBモバイルのホットスポットでも同様に無線接続できるようになっている。通常ならばオプションサービスとして月額290円かかるYahoo! BBモバイルの利用料も不要で、アカウントやESS-IDなども自宅の設定でそのまま接続できるようにするとしている。
さらに注目されるのは、無線LANパックを契約している一般世帯のトリオモデムも含め、これらの無線アクセスポイントがすべて「Yahoo! BBにより端末のファームウェアなどが管理された『Managed IP Network』」に接続されている点だ。このため、クローズなネットワークである一般の無線LANとは異なり、「Managed IP Networkにより、その後のいろいろなサービスの広がりを持たせることができる」という。孫代表は、今の段階では「あえてコメントしないが、みなさんのほうでご想像していただきたい」と、トリオモデムを活用した新サービスについて含みを持たせた。
なお、トリオモデムの無線LAN機能は、無線LANパックの契約者に配布される無線カードを、モデム本体のスロットに挿入することで実現する。ただし、一般に市販されている無線LANカードには対応しておらず、Yahoo! BB専用のカードしか挿入できないという。今のところは最大11MbpsのIEEE 802.11bに準拠した仕様となっているが、今後のニーズの変化にも対応できるようカード方式を採用した。
今後Yahoo! BB 12Mの申込者には、原則としてこのタイプのモデム本体をレンタル。オプションとして無線LANパックを契約したユーザーにのみ無線カードも合わせて貸し出されることになる |
また、トリオモデムは無線LANなどすべての設定が完了した状態で出荷され、無線LANカードを装着するだけで利用できるよう配慮されている。さらに、無線LAN設定用のユーティリティーソフトも付属しており、無線区間の暗号化やMACアドレスによるアクセス制限を契約者自身で設定することも可能だ。これらの機能を併用することで、Yahoo! BBモバイルの加入者を含め、見知らぬ無線LAN端末から自宅のアクセスポイントを使用されてしまう心配はないとしている。
ただし、無線LANのセキュリティーに関する設定は、一般の無線LANルーターと同様にユーザー自身の責任で行なうことになる。今のところそのような必要性はないとの考えだが、Managed IP Networkによりアクセスポイントごとにアクセス制御の遠隔設定することも技術的には可能だという。
◎関連記事
■Yahoo!BB、最大8Mbpsの無線LANサービス「Yahoo! BBモバイル」を発表
(2002/10/1)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]