【音楽配信】
一回のライセンス取得でEU域内の18カ国で楽曲を配信可能に
欧州委員会、音楽配信向けの一括ライセンス方式を導入
■URL
http://www.ifpi.org/site-content/press/20021008b.html
欧州連合(EU)の欧州委員会は8日、欧州においてTV・ラジオ放送事業者の競争を促進するため、EU域内において楽曲をインターネット上で同時配信できる新たな規則を導入すると発表した。これまでは、各国の音楽著作権管理団体から音楽配信のライセンスを受ける必要があったが、新たな規則では、一度ライセンスを取得すれば、EU域内の18カ国で楽曲を配信できるようになる。
今回の決定は、インターネット上で音楽作品を商用目的で利用する際の著作権使用料の管理やライセンスについて、欧州委員会が初めてくだしたもの。新たな規則の導入により、音楽業界が放送事業者から著作権使用料を一括して徴収できるようになり、音楽業界の競争を促進できるとしている。
TV・ラジオ放送事業者は数年前から、従来の地上波やケーブルに加え、インターネット上で番組の配信を始めている。このような同時配信の場合、放送事業者は音楽著作権管理団体から国際ライセンスを取得する必要がある。また、放送事業者は従来、地域限定のライセンスを受けて各国または各地域で放送を行なっており、国境のないインターネット上で配信するためのライセンスを取得することが問題となっていた。
欧州委員会は、国際レコード・ビデオ製作者連盟(IFPI)から、このような状況を改善するよう通知を受けたという。IFPIの通知には、レコード会社が加盟する著作権管理団体が名をつらね、他の著作権管理団体が著作権使用料を徴収することについての懸念はなかったという。
欧州委員会の決定について、IFPIのJay Berman会長兼CEOは「我々は、放送事業者がライセンスを容易に取得して同時配信できるよう、このシステムを立案した。インターネットへの事業に採用されるにつれ、レコード業界にとって重要なステップとなるだろう」とコメントしている。
(2002/10/9)
[Reported by 江藤 浩幸]
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