【eラーニング】
ネットエイジ、“メンタルタフネス”強化の
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左から西川氏、加藤氏、高杉氏
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「MTアナライザー」のデモ画面
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近年、仕事や職場でのストレスに起因するうつ病や出社拒否症が増加し、社会問題にもなりつつある。従業員がこうした症状に陥ることで起こる職場の生産性低下を予防し、スタッフの生産性をさらに向上させる促進剤として、“メンタルタフネス”(仕事でのプレッシャーやストレスに対する精神的免疫力)を強化するために開発したのが、「MTOP」になるという。
「MTOP」の監修者である加藤諦三氏(早稲田大学教授)は、「日本の発展を支えてきたのは生真面目で仕事熱心な人々だが、うつ病素質者的な性格でもある。これまでは終身雇用と年功序列という制度で、彼らが安心して働いてこれたが、近年これらの制度が崩壊しつつあり、これがうつ病素質者の発病に大きく影響している。日本は米国などに比べ、うつ病患者が多いのに注目度が低すぎる面があり、今後もっと注目されるべき」と説明。またベースとなった“メンタルタフネス強化プログラム”を考案・開発した高杉尚孝氏は、「“~~せねばならない”と考える自滅的な思考が現実との矛盾を生み、仕事上のストレスやプレッシャーにつながっていく。この自滅的な思考を払拭する具体的なテクニックをまとめたものが『MTOP』といえる。論理的に思考する技術を学ぶことで、メンタルタフネスを実現できる」と述べた。またオンラインで匿名で学べるため、従業員が気軽に試せ、無意識に溜まっていたストレスを早期に自覚する点でも有効という。
MTOPは従業員向けと企業担当者向けに内容が分かれている。従業員向けでは、メンタルコンディションをチェックする「MTチェッカー」、チェックの結果から自分の状態を分析する「MTアナライザー」、学習コンテンツの「MTジェネレーター」という3つの要素から成り、チェック→分析→学習という流れを繰り返すことで、メンタルタフネス向上に必要なトレーニングを実施していく。学習コンテンツではキャラクターや動画による説明、クイズ形式での学習内容確認に加え、毎週新しいコンテンツを提供するウィークリーゲート方式を採用し、テレビの連続ドラマのように興味を持続させながら学べる。また学習内容と連携した漫画やコラムも週代わりで掲載し、飽きずに楽しみながらトレーニングが可能という。企業担当者向けには、管理機能である「MTマネージャー」から匿名データによる社内の職種別メンタルコンディションの状況、学習状況などをグラフやマップ表示で把握し、社内告知や環境改善に役立てることができる。
「MTOP」は企業向けにASPとして提供され、利用料は従業員1人あたり月額500~1,000円。別途導入費用が必要となる。また追って企業内のサーバーで「MTOP」を運用するサーバー提供型や、ISP向けにコンテンツとして提供する事業も行なっていく方向だ。7月から試験的に営業活動を開始し、現在すでに人材派遣業や金融関連など数十社と契約交渉中という。初年度はASP事業で約70社・5万人への導入を、3年後には5億円の売上げを目標としている。
(2002/10/9)
[Reported by aoki-m@impress.co.jp]