【サービス】
電話番号を隠して通話できるIP電話サービス
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「コペルフォン」のサービスイメージ図 |
イーディーコントライブ株式会社は、電話番号を隠したまま通話できるIP電話サービス「コペルフォン」を開始する。主に、ISPやオークションサイト等に向けてASPで提供される。
コペルフォンは、採用したオークションサイトなどが、サイト上にJavaアプレットによる専用ソフトウェアを用意しておき、話し手がそのソフトをダウンロードすることによって、Web上から携帯電話などへIP電話をかけることができるシステムだ。ただし、電話を受ける側はコペルフォンのデータベースサーバーに事前に電話番号情報などを登録しておく必要がある。
具体的には、受け手は自分の電話番号や電話を受け取りたい時間・曜日や受け取りたい相手などの登録を行なう。仮登録後「コペルフォンセンター」に電話をかけることによって、登録内容が正しいか判断した上で正式な登録番号が配布される。
実際にコペルフォンを利用する際には、この登録番号にかけて、コペルフォンのサーバーを経由してから実際の携帯電話に転送する形となるので、話し手に携帯電話番号を知られることはない。このように、「実際の携帯電話番号を教えたくはないが、受話は便利な携帯電話でしたい」というニーズに応えることが可能だ。
また、話し手側の電話番号についても、コペルフォンを通じてかけた電話は、携帯電話などに「通知不可能電話」として表示されるので、かける側も電話番号を明かすことなく電話をかけることができる。ただし、通話終了後ある程度誰からかかってきた電話か分かるように、メールで話し手のHNなどを知らせる。将来的には、対象ISP等にIP電話番号を振り、どのコミュニティー経由で電話がかかってきたか分かるようにすることも検討しているという。つまり、電話をかけてきた本人の電話番号を特定することはできないが、コミュニティー単位で「どのISPからかかってきたか?」などは分かるようになるということだ。
なお、料金体系としては、一回コペルフォンをかける毎に発生する「コネクト料」の他に「通話料」がかかる仕組みだ。これらの具体的な料金に関しては、提供ISPなどに左右されるため、現時点で詳しい料金は決まっていないが、イーディーコントライブの取締役山口征浩氏によると「『コネクト料』が一回100円、『通話料金』は“IP電話料金”以上“遠距離電話料金”未満程度になるのではないか。従ってIP電話として“安さ”を期待して提供するのではなく“魅力あるコンテンツ”としてサービスを提供する」とのこと。
「コペルフォン」をオークションサイトに採用してみた例 | 「コペルフォン」のインターフェースイメージ図 |
受け手側が登録する際の画面イメージ図。このように、名前や電話番号の他に受話可能時間も入力する | 仮登録完了画面。仮登録番号が発行され、確認作業後に本登録番号が発行される |
イーディーコントライブでは、コペルフォンの利用方法について、オークションサイトやISPなどへの提供を検討している。例えば、オークションサイトへ設置することによって、出品商品に対する問合せ先にメールアドレス以外にこのコペルフォンを利用してコンタクトを取るなどの利用ケースや、コミュニティーサイトに設置することによって、今までテキストベースでしか交流を図れなかったケースでも、携帯電話の音声による新しいコミュニティーが発生するのではないかと想定している。現在同社では、提供ISPなどをいくつか交渉しており、近々発表予定とのことだ。
山口氏は「このサービスは、『バーチャルとリアルの橋渡し』を担うと考えている。これまで、バーチャルな世界の中でテキスト単位で交流されていたものに、音声での交流という新たな流れを作りたい。現在のインターネットでは、コミュニケーションが一番価値のあるコンテンツだ。そのコミュニケーションの中で最も有力なサービスを目指す」と語った。
(2002/10/10)
[Reported by otsu-j@impress.co.jp]