【業界動向】
英国政府やオックスフォード大学、乳ガン研究に「Grid」を採用
■URL
http://www.admin.ox.ac.uk/po/021014.shtml
英政府と英オックスフォード大学は14日、米IBMの分散コンピューティング環境「Grid」を用いた乳ガン研究プロジェクト「eDiamond」に参加したと発表した。
eDiamondは、英政府とIBMが約600万ドルを投じたプロジェクト。同プロジェクトではは、英Mirada Solutionsが開発した、デジタル胸部X線写真を標準化するためのソフトウェアをはじめ、完全に市販の技術を用いている。これにより、医師や放射線技師がeDiamond上に格納されたデジタルX線写真と比較、検討できるようになる。
eDiamondでは病院がデジタルX線写真を格納、共有可能なことに加え、最新の分析ツールや、ガンを診断するための機能を提供する。また、Gridを用いることにより、異なるフォーマットの写真を比較したり、以前診察した際の写真を紛失するといった問題を解消して、偽陽性診断の比率を減らしたり、医師が類似した症例を比較研究してよりよい治療法を開発できるようになるという。
eDiamondではまず、ロンドンのSt George's HospitalやオックスフォードのJohn Radcliffe Hospital、スコットランドのBreast Screening Centersなど、5カ所の病院を接続し、胸部X線写真を共有する。今後、英国にある92カ所のがん検診センターに拡大し、将来的にはフランスやドイツ、日本で行なわれているガン研究プログラムとも接続する計画だ。
(2002/10/15)
[Reported by 江藤 浩幸]
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