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【イベントレポート】

~「WPC EXPO 2002」の基調講演でMicrosoftのVice President古川享氏がお披露目

新OS「Windows XP メディアセンターエディション」日本語版が初登場

■URL
http://arena.nikkeibp.co.jp/expo/
http://www.microsoft.com/windowsxp/mediacenter/default.asp

 16日、日経BP社が主催するアジア最大規模のデジタル総合展「WPC EXPO 2002」が東京ビックサイトで開幕した。会期は19日までの4日間となっており、入場料は2,000円となっている。展示会場には国内外あわせて約500社が出展しており、期間中32万人の来場を見込んでいるという。今年の統一テーマは「ブロードバンド時代-ユビキタス・ネット社会を拓く」。


 開催初日の16日に行なわれた基調講演では、MicrosoftのAdvanced Strategy & Policy Vice Presidentの古川享氏が「デジタル時代のマイクロソフトのビジョン」と題した講演を行なった。この講演では、今後予想される激動の10年間の間に対応するべく、マイクロソフトが目指す次世代デジタルデバイスやビジョンについて語られ、日本初登場となる「Windows XP」の新バージョン「Windows XP メディアセンターエディション」が発表された。

 古川氏は「現在の日本では、『失われた10年』と言われているが、その中でもPCの出荷台数やインターネット利用者は、日経平均株価に反比例するかのように増加している。また、今後も発展する余地は十分にある」と前置いた。このPCやインターネットの発展には、デバイスの性能や多様化がとても重要な役割を担っており、「今後さらにソフトウェアの基本となるOS『Windows』も、ハードウェアの発展と多様化にあわせていかなければならない」とのビジョンを示した。

古川享氏
『失われた10年』

 マイクロソフトでは、そのビジョンを実現するためのOSとして、「Windows XP Tablet PC Edition(以下、TPE)」、「Windows XP Smart Displays(以下、SD)」、「Windows XP Media Center Edition(以下、MCE)」を挙げた。TPEは、対応したPCで利用することにより、通常の「Windows XP Professional Edition」の機能に、手書き認識や音声認識機能を追加したもの。実際に、メール等のアプリケーションで手書き文章を利用することが可能となっている。また、手書き認識機能を利用して、手書き文字を通常のフォント文字に変換することも可能だ。マイクロソフトでは「ラップトップの良さをさらに活かすためには、キーボード入力よりも手書きの方が優位だろう」との認識から開発を進めてきたという。さらに、デジタルでは伝わり辛い「感情」や「強調」なども手書きならば表現しやすいとしている。

 SDは、TPEの利便性をさらに活かすために、デスクトップのマシンにタブレット型のラップトップからリモートアクセスするもの。ラップトップPCが子機の役目を果たすことになる。ユーザーはこの子機を持ち歩き、ペン入力で操作することが可能となっている。処理自体はデスクトップマシンが主に行なうので、ラップトップマシンに求められるスペックが減少し、デバイスの軽量化などに役立つという。軽量化・小型化することにより、よりラップトップとしての「小型」、「軽量」などが進む可能性がある。

 日本初登場となったMCE(日本語版)は、Windowsにテレビ再生・録画や音楽再生などをさらに強化したOSとなる。最大の特徴は、キーボードやマウスを使わなくても、専用のリモコンによって各種操作が可能な点だ。NECと共同で開発するPCには、テレビ出力やテレビアンテナ入力を備えられており、音楽を聴きながらテレビを楽しんだり、録画したりすることが可能だ。なお、マイクロソフトは、電子番組ガイド提供事業者の日刊編集センターと提携し、MCEにおいて電子テレビガイドを提供する。

古川氏による手書き文字
左から古川氏とMichael Toutonghi氏

 マイクロソフトは、MCEを中心とした次世代ホームネットワーク構想「eHOME構想」を米国などで既に発表しており、今回MCEの日本語版が発表されたことにより、この構想が日本でも進められることになる。講演でMCEの説明を行なったeHome担当Vice PresidentのMichael Toutonghi氏は「将来的には、さらに他のデバイスからのアクセスも可能にしたい。例えば既に発売しているXboxなどからもアクセス可能にしたい」と語った。MCEは、2003年中に発売される予定だ。

 古川氏は「これらのソフトが登場することにより、今までなかなか統合することができなかった電話や対面、メールに手書きメモなどのコミュニケーションをシームレスに扱うことになってくるだろう」と語り、タブレットPCの利便性を強調して講演を締めた。

(2002/10/16)

[Reported by otsu-j@impress.co.jp]

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