【サービス】
NTTコムと山形県鶴岡市、
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「かんたんインターネット端末」に壁紙を配信したところ。端末のOSはLinuxで、ハードディスクは持たないが64M+16Mのメモリを内蔵している
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「かんたんインターネット端末」は、NTTコムと松下電器が開発した液晶一体型のインターネット端末で、Web閲覧からメール送受信、カレンダー、アドレス帳といった機能を持つ。付属の電話機や子機で、Webやメールを画面表示させながら電話をかけられるほか、タッチパネルとボタンで、パソコンが苦手な人でも簡単に操作できる点が特徴だ。端末はモジュラージャック、イーサポート、SDカードスロット、ICカードスロットを備え、NTTコムが運営するセキュリティープラットフォーム「セーフティパス」を使った認証が可能で、オンラインバンキングなど高度なセキュリティが必要なサービスでも利用できるという。さらにオペレーターが、端末の設定や端末ごとに異なる情報配信を遠隔地から行なう「エージェント機能」にも対応している。
NTTコムと鶴岡市では、実証実験でこの端末を希望の市民に約500台配付し、市民それぞれの希望に応じた情報やコンテンツを配信、端末に自動設定するサービスを展開する。具体的には、地域に関するイベント情報を端末のカレンダーに配信する「カレンダー情報配信」、生活関連情報など、希望のあったURLを端末のブックマークに設定する「ブックマーク配信」、市民から募集したイラストや写真のなかから、希望のものを端末の壁紙として配信・設定する「壁紙(画面コンテンツ)配信」などが予定されている。また同市の地域ポータルサイト「鶴岡タウンねっと」上で、PCを利用している市民と実験参加市民との交流も図る。
実証実験の参加資格は鶴岡市に在住・在勤の18歳以上の男女で、端末の初期費用として9,000円が必要となるほか、月々の通信費は実験参加者の負担となる。実験は3年間の予定で行なわれ、将来的には民間の業者による「かんたんインターネット端末」を使った情報配信や、電子自治体などの機能に対応できればとしている。
電話でインターネットというと「Lモード」が思い浮かぶが、「Lモードは指定されたISPじゃないと使えないが、これはISPはどこでもいいし、Web閲覧などの自由度も高い。また面倒な設定やファームウェアのアップデートなどは、遠隔操作で可能なところも特徴だ。さらにセーフティパスを使った認証によって、BtoBでの展開や、オンラインバンキングによる“自宅ATM”的な利用法も可能だ」(NTTコミュニケーションズ取締役・遊佐洋氏)という。NTTコムでは、この端末を企業向けにも展開する予定で、すでに金融・保険関係など数社から引き合いが来ているという。
(2002/10/17)
[Reported by aoki-m@impress.co.jp]