【通信事業】
ブロードバンド事業者との広範提携でBBフォンに対抗フュージョン、「050」のフルIP電話で
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既存の“IP中継電話サービス”と新たに提供する“IP加入電話サービス”の違いを説明する角田忠久代表取締役社長 |
フュージョン・コミュニケーションズは21日、IP加入電話サービス「FUSION IP-Phone」を2003年2月より提供すると発表した。初期費用が1番号あたり500円、月額基本料金380円で加入者同士の通話が無料になるほか、一般固定電話へ3分間8円の全国一律料金で通話できる。
同社は2001年4月に全国一律料金のIP電話サービスを開始。18日現在で192万回線の加入者を獲得しているが、これは県間の長距離通信部分を同社の専用IPネットワークで中継するもので、加入者回線部分はNTT東西の地域網を利用していた。サービスも長距離や国際通話に限られていた。
これに対してFUSION IP-Phoneでは、加入者までの足周り部分もIPネットワークを利用。ブロードバンドサービスを展開しているISPやCATV事業者と広く提携し、各社のネットワークとフュージョンのIPネットワークを接続。各社のブロードバンドサービス加入者がSIP準拠のIP電話機やIP電話モデム、パソコンのIP電話ソフトウェアを使ってフルIP電話サービスを受けられるようにする。これにより、市外/市内ともに「真の全国一律料金」が実現するとしている。
FUSION IP-Phoneでは、総務省がIP電話向けに今秋より割り当てを開始する「050」で始まる電話番号が付与される。フュージョンでは、来年度の加入者獲得目標である33万回線分のIP電話番号を総務省に申請した。これにより、2003年夏以降にも一般固定電話からFUSION IP-Phoneへの着信も可能になる予定だ。また、携帯電話キャリア各社と接続料の交渉も開始したとしており、FUSION IP-Phoneから携帯電話への発信も低料金で実現する計画だ。
フュージョンの角田忠久代表取締役社長は、BBフォンの存在がYahoo! BBの加入者増加に大きく貢献している状況に対して「ISP各社にあせりがある」と指摘。各ISPが自社ブロードバンドサービスの付加価値を向上させる手段として、FUSION IP-Phoneにメリットがあるとアピールした。自社の加入者だけでなく、FUSION IP-Phoneの提携ISP内の加入者全員が無料通話できるのもポイントだとしている。提携に向けてすでに数社のISPと交渉中で、近日中にISP側からFUSION IP-Phoneの提供について発表があるのではないかという。同社では2005年度末のIP電話利用世帯が1,000万世帯に達すると予測しており、このうち20%にあたる200万回線の加入者獲得を目指す。
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(2002/10/21)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]