【事業計画】
米RealNetworks、「Helix DNA Client」のソースコードを公開■URL 米RealNetworksは29日、「Helix DNA Client」のソースコードをHelixコミュニティーに対して公開した。7月22日に発表された同社のオープンソース戦略「Helix」に基づくものとなる。これはWindows Media、QuickTime、RealVideoを含むさまざまな動画圧縮フォーマットに対応したストリーミングクライアントとサーバーのソースコードを、特別なライセンスの元で公開して開発するというもので、予定通りの公開となった。 今回公開されたのは「Helix DNA Client」と呼ばれるストリーミング再生の核となるエンジンで、Windows、Linux、MacOS Xに対応している。今後RealNetworksでは、Helixコミュニティーに対してサーバーのほか、RealAudioやRealVideoのエンコード部のソースコードを公開することになっている。6月以来2,000人以上の開発者や企業がHelixコミュニティーに参加しており、現在、PalmOSやSymbianOSへの移植作業、Mozilla、Operaへのブラウザープラグインを含む12のプロジェクトが遂行されている。 また、今回RealNetworksは多くの家電企業がHelix DNA Clientをライセンスしたことを発表した。ライセンス企業にはNEC、Nokia、Acer、日立、Philips、TIなどの主要企業が含まれており、これにより携帯電話、デジタルビデオレコーダー、PDAなど多くの家電機器でHelix DNA Clientを通してストリーミングメディアを再生できるようになる。 RealNetworksではこうした動きを加速するべく、Helix DNA Clientのライセンス料金などを発表した。それによるとHelix DNA ClientをRealAudioとRealVideoのエンコードなしに配布したい企業や個人は、最初の100万ユニットまでは無料で配布でき、それ以上配布する場合には1ユニット当たり0.1ドル徴収する。また、RealAudioとRealVideo再生エンコーダー付で配布する場合にはWintelベースプラットフォーム向けに対しては1ユニット当たり0.25ドル、Wintel以外のプラットフォームに対しては1ユニット当たり0.25ドルで、支払額は年間100万ドルを超えない。また、ブロードバンドビデオデバイス向けのライセンス料金は別途用意されている。 RealNetworksはPCクライアント向けのストリーミング製品においてMicrosoftと激しく競争しているが、家電部門においては、MPEG-4とそれによって利益を得るApple社との競争がある。RealNetworksではHelixのライセンス費用がMPEG-4よりも安価であることをプレスリリースの中で強調しており、今後さらに家電メーカー向けにライセンスの働きかけを強めていくものと思われる。 ◎関連記事 (2002/10/30) [Reported by 青木 大我 (taiga@scientist.com)] |
|