【新製品/セキュリティ】
外部に送信される“リスクメール”を検出ジャストシステム、メールによる機密漏洩を防ぐ
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ジャストシステム浮川社長(左)と、ジャストアビーム加藤社長
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「SEQRIA Mail」は、従業員が送信するメールのヘッダ・本文を解析・フィルタリングし、企業ごとに設定したプロファイル(抽出基準)や規制語句(製品名、開発コード名など)の設定に基づいて、問題のあるメールを自動的に抽出する。ジャストシステムの持つナレッジ・マネジメント製品「ConceptBase」の自然文解析をはじめとした言語処理技術を利用することで、単に“重要”“極秘”などを検出する従来のキーワード検索の域を越えた高度なフィルタリングを可能としている。営業、経理といった部署ごとに異なるプロファイルを用いたり、機密文書や漏洩文書そのものを検索キーとした問題メールの抽出も可能だ。問題のあるメールには送信者に警告メールが自動的に送信され、漏洩ではない場合でも、メールで扱う事項の重要度について注意を促すことができるという。
また送信メールのログを保存し、蓄積されたログデータからの検索にも対応している。この機能で、トラブル発生時に過去のメールを確認したり、情報漏洩の可能性がある場合、送信メールログから証拠となるメールを検索するといった使い方も可能だ。またWORDやPDFなどの文書ファイル、ZIPやLZHの圧縮ファイルといったメールの添付書類も検索可能だ。
「SEQRIA Mail」はサーバーソフトで、既存のメールシステムに同ソフトのサーバーを追加する形で利用する。WindowsNT4.0/2000に対応し、価格は50クライアント で50万円、1000クライアントで500万円~。他に年間保守料金が定価の15%必要となる。
ジャストアビームの加藤彰代表取締役社長は、「数年前に『ConceptBase』を初めて見たとき、“これはメールだ!”と直感したものが、ようやく製品として出せる形となった」と発言。メールで仕事をする機会が急増している現状、情報セキュリティーはもちろん、企業モラルや従業員管理も含め、リスクメール対策は必須だと述べた。またジャストシステムの浮川和宣代表取締役社長は、「外からのアタックのリスクもあるが、社内からの情報漏洩リスクは思っている以上に大きい。『SEQRIA Mail』の場合、『ConceptBase』の技術を用いているため、従来のフィルタリング製品とは異なり、問題メール抽出の精度には自信を持っている」と語った。なおこの製品は送信メールのストップ機能はなく、これは「送信制御を行なう場合、送信停止や可能という判断を誰が行ない管理するのかという運用の問題が非常に大きい。機能的に付加できないことはないが、今バージョンでは見送った」(加藤氏)という。
両社ではこの製品で初年度300ユーザー(企業)で5億円、次年度1,000ユーザーで15億円の売上げを目標としている。
「SEQRIA Mail」で危険度の高いメールを表示したところ
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(2002/10/31)
[Reported by aoki-m@impress.co.jp]