【業界動向 / 新技術】
一つのスイッチで大学キャンパス全体をカバー数kmをカバーする「Wi-Fiスイッチ」、米Vivatoが開発中■URL ベンチャー企業の米VivatoがWi-Fiの配備方法を一変させる可能性を持った新技術を開発していることが4日明らかになった。 通常Wi-Fiのアクセスポイントは数百メートルの範囲しかカバーできないため、企業のオフィス全体や大学のキャンパス全体をカバーするためには多数のアクセスポイントを設置する必要があった。今回Vivatoが開発中であることを明らかにした「Wi-Fiスイッチ」は新しいアンテナをネットワーク技術と統合することによって、数km四方を一つのスイッチでカバーすると同時に多数の通信を制御できるというものだ。 Wi-Fiが無線技術である以上、アンテナ技術はその最も重要な部品であることは周知の事実であり、米国では複数の企業が新種のアンテナを開発してWi-Fiのインフラを改善しようとしている。その中でもVivatoはアナリストの高い評価を受けている企業の一つだ。Vivatoの創設者でありCEOのKen Biba氏はXircom、Agilis、Sytekなどを率いた経験があるほか、技術者たちはAirtouch/Vodafone、HP、Agilent、TI、Intel、Alcatelなどの企業出身である。 VivatoのWi-Fiスイッチのアンテナは平面フェイズドアレーアンテナで、システムの中にはWi-Fiの暗号化規格や認証規格が組み込まれるほか、Wi-Fiを利用する際の大きな問題となっているセキュリティーを確保するため、VPNと不正アクセスを感知するシステムが組み込まれている。このスイッチは802.11b、802.11a、802.11gクライアントをサポートする。 Vivatoではこの製品を主に大企業のオフィスに売り込む考えで、企業の中で利用する場合には一つのWi-Fiスイッチでフロア全体をカバーできるという。また大学のキャンパスのように屋外の場合にはキャンパス全体をカバーできる。これまで複数のアクセスポイントを各所に設置しなければならなかったことに比べて大幅なコスト削減につながる。また、都市の郊外でブロードバンドを配備する際に問題となるいわゆる「ラストマイル」の問題を解決するためにWi-Fiスイッチを利用することもできる。 Vivatoではこの製品を2003年第一四半期に出荷する予定だ。 (2002/11/5) [Reported by 青木 大我 (taiga@scientist.com)] |
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