【サービス】
アルファブリッジ、蓄積型のコンテンツ自動配信システムを開始■URL 株式会社アルファブリッジは、都内で記者発表会を開催し、蓄積型のコンテンツ自動配信システム「PuCa(プーキャ)」のサービスを開始すると発表した。パソコンの空き時間にコンテンツをダウンロードして蓄積し、ネットワークの混雑時間を気にせずコンテンツを視聴できるシステムとなる。 アルファブリッジは2001年2月にブロードバンドを活用したコンテンツ配信を目的として設立された。住友商事が65.7%を出資、そのほかにNEC、凸版印刷、マイクロソフトなども出資し、社長は住友商事取締役の中井戸信英氏が兼務する。 「PuCa」を利用するには、ブロードバンド回線と専用の「PuCaプレーヤー」をパソコンにインストールしておく必要がある。インストール後に各コンテンツにアクセスすると、コンテンツごとのアイコンがデスクトップに置かれ、アイコンをクリックするだけでコンテンツを視聴できる。 コンテンツの蓄積はコンテンツの種類と時間を設定しておくだけで、パソコンを使っていない時間などにダウンロードされる仕組みだが、パソコンの電源は入っていなければならないという制約がある。同社の代表取締役専務の武内大氏は「少しづつコンテンツのファイルを取ってくることができ、全部揃ったところで再生できる」とし、蓄積方法の柔軟性を強調した。 コンテンツは蓄積したものの表示だけでなく、リアルタイムに取得した情報と組み合わせることも可能。ネットワーク上のストリーミングデータなどを組み合わせて表示することにより、「奥行きのあるコンテンツが実現できる」(武内氏)という。 また、PuCaは著作権保護機能も搭載している。Windows Media Rights Manager等を使った著作権管理に加え、アルファブリッジ独自のコンテンツ全体を仮想ディスクで管理するといった方法によって、二重の保護がされているという。 このシステムは、コンテンツ提供者にも利用情報をフィードバックし、マーケット情報として活用できる。データは集計・分析されたものだけを提供することにより、視聴者のプライバシー保護を行なうと同時に、集計済みの情報として提供することで、そのままマーケット情報として利用できるという。
配信するコンテンツは有料と無料の2通りがある。毎日新聞のニュースサイトは11月14日から「PuCa」でサービスを開始する予定だが、来年を目途に段階的に有料化していくという。このような有料を基本とするコンテンツに対し、無料を原則とするものもある。千趣会は電子カタログをPuCaのシステムで実現し、ここから千趣会の販売サイトの利用促進につなげていくという。電子カタログを発行することにより、ユーザーの利便性向上とともに、カタログの印刷・発送などの費用も節約できる効果も期待できる。 コンテンツ提供者側の利用料金は蓄積管理容量1MBあたり2円。これには蓄積した情報の管理、ユーザーインターフェイスの提供、利用情報フィードバックまで含まれる。例として、10MBのコンテンツを月に4回、5,000世帯に配信するとして月額40万円、5MBのコンテンツを月に2回、2万世帯に配信した場合も月額40万円となる。 さらに、アルファブリッジを利用または利用検討しているコンテンツ提供者の間で「ブロードバンドコンソーシアム(BIT Club)」が組織される。このコミュニティーによって、ビジネス推進や利用事例や成功事例を蓄積し、業界を超えたアライアンスとなるという。 実際のコンテンツは11月14日に、毎日新聞社の記者が動画で紙面解説を行なう「毎日ニュースナビ」を皮切りに開始される。その後、2003年内に50コンテンツを揃え、ユーザー50万人獲得を目指す。さらに2005年には150コンテンツ、200万ユーザーが目標。有料コンテンツの配信が開始された場合の課金については「認証課金を自社でやるのは荷が重いのでアライアンスを組んでいきたい」(武内氏)としてISPと協業する考えを述べた。 (2002/11/6) [Reported by 正田 拓也] |
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