【セキュリティー】
~IPA、10月度の不正アクセスとウィルスの届出状況を発表
不正アクセスによる侵入被害届出数が今年最多に
■URL
http://www.ipa.go.jp/security/txt/2002_11outline.html
http://www.ipa.go.jp/security/crack_report/20021107/0210.html
http://www.ipa.go.jp/security/txt/2002_11.html
情報処理振興事業協会(IPA)は7日、2002年10月度の不正アクセスとウィルスの届出状況を発表した。不正アクセス、ウィルス共に前月の届出数を上回り、7月から減少し続けていた安心感を吹き飛ばす結果となった。
10月度の不正アクセスの届出数は49件で、3ヶ月ぶりに40件を上回った。また、侵入被害の届出件数が19件と今年最多件数となった点が特徴だ。侵入被害の内訳は、「侵入され、更に他サイトへの攻撃の踏み台にされた」という被害が最も多く、19件中7件となっている。IPAが報告した事例では、実際に侵入された後に、セキュリティー脆弱性を探すツールをPCに埋め込まれ、海外のWebサイトに対してポートスキャンを行なう際の踏み台にされた例が紹介されている。その事例では、踏み台にされてポートスキャンを行なった海外サイトから警告されて気づいたという。
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IPAが発表した不正アクセス被害数の経緯
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一方、侵入被害にあった19件の原因の内訳は、パスワード設定や管理の不備が2件、古いバージョンやパッチ未導入が7件、設定不備が6件、不明が4件となっており、比較的初歩的なミスから侵入被害に発展していることが分かる。このことからIPAでは、「基本に返ったセキュリティー対策を行なう」ことを強く訴えている。
続いて、10月度のウィルスの届出数は1,510件となっており、9月の1,193件と比較して317件の増加と、5月をピークに4ヶ月連続で減少していた届出件数が再び増加に向かった。届出の内訳は、「Klez」が702件と依然として1位になっているが、それに引き続き「Bugbear」が323件と、増加してきている点に注意が必要だ。
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IPAが発表したウィルス届出数の経緯
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IPAは、「Bugbear」の「プレビューしただけで感染する」、「共有フォルダーに自身をコピーして感染する」、「差出人アドレスを詐称する」などの悪質な機能を説明し、これらの機能によって今後被害が拡大することを懸念している。特に、LAN経由で感染を拡大する「Opaserv」ウィルスなども発生していることから、「社内LANにおいての、安易な共有設定を見直すべき」との警報を発している。社内LAN経由での感染は、一度に数十台~数百台という大規模な感染が予想されるだけに、より一層の注意が必要だ。
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(2002/11/7)
[Reported by otsu-j@impress.co.jp]
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