【業界動向】
欧州連合、IT投資促進策を提示~起業しやすい環境の整備が重要
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http://europa.eu.int/rapid/start/cgi/guesten.ksh?p_action.gettxt=gt&doc=SPEECH/02/541|0|RAPID&lg=EN;
欧州連合(EU)の行政組織欧州委員会はこのほど、コペンハーゲンで開催された「欧州投資フォーラム」において、欧州域内でのIT産業の投資刺激策を提示した。挨拶に立った欧州委員会の、企業・情報社会担当の欧州委員エルッキ・リイカネン氏は「通信部門の現状における生産性と成長予測」「リスク投資、革新および起業家精神」「情報化社会におけるEUの研究の将来」の3点を挙げ議論を進めた。
通信部門では、1990年代後半の通信市場自由化に伴い市場が活性化し、市場自体が急激に成長した。研究開発への投資も増加してきたが、最近はその勢いがなくなっているいるという。一方で「eEurope」などの施策により、ブロードバンド市場や第三世代携帯電話市場が一大市場となり、今後も成長が継続することが指摘された。
起業の促進については、「今後のIT産業の発展には必要だが、投資を促進する環境や起業しやすい環境を整備することが重要」との見解が示された。
また、研究開発が市場成長に与える影響も重要視されている。2000年現在では、売上の約1.9%程度といわれているが、これを2010年までに3%程度にまで引き上げる目標を設定。これにより、日本や米国に追いつくとしている。特に米国においては、政府投資だけでなく、民間ファンドの役割も80%程度占めているが、このような形態を取り入れることも検討するという。
全体として、欧州域内でのベンチャー起業が促進されることをEU全体としてバックアップする姿勢が明確にされた。
(2002/11/8)
[Reported by Gana Hiyoshi]
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