【サービス】
BBテクノロジー、ADSL回線を使って配信する「BBケーブルTV」Yahoo! BBを運営するBBテクノロジー株式会社は都内で記者説明会を開催し、ソフトバンク・グループのBBケーブル株式会社が、12月5日からYahoo! BBのADSL回線を使った有線テレビ「BBケーブルTV」の試験サービスを行なうと発表した。正式サービスの開始は試験サービス終了後としており、現在のところ未定。 「BBケーブルTV」は、イーサネットインターフェイスが装備されたセットトップボックス(STB)をYahoo! BBで提供しているADSLモデムに接続、ネットワークから2Mbpsの帯域でDVD相当の映像を家庭用テレビで受信できるサービス。受信形態は複数のチャンネルが用意された「放送サービス」と、オンデマンドでコンテンツの視聴ができる「ビデオ・オン・デマンド サービス」の2つが用意される。 放送サービスのチャンネルは「ベーシックパッケージ」としてスポーツ・音楽・アニメ・映画・ニュースなどの十数チャンネルと、専門チャンネルを選択して視聴する「アラカルトチャンネル」に分かれている。既に参加が決定しているのは「e-天気.net」「Channel BB」「MOND021」などとなっており、協議中のチャンネルについては決定次第公表するという。 また、ビデオ・オン・デマンド サービスでは、アスミック・エース エンタテインメント、ワタナベエンターテインメント、ホリプロ、ゴルフダイジェストなどが提供予定となっており、BBテクノロジー社長の孫正義氏によれば、「ハリウッドのメジャースタジオとも水面下の合意はほぼできている」とし、来年中にBBケーブルのサーバーに数千のタイトルが用意できると述べた。 配信は、マルチキャスト方式で行なわれているため「100万人の同時視聴もネットワークが混雑せずに実現できる」(孫氏)として、多数のユーザーに対しても安定したサービス提供ができるという。ICカード鍵を使ったスクランブルをかけて配信し、コピーガードを装備するなど、著作権管理についても十分な性能を持っていることを強調した。 サービスで使用するSTBは韓Samsung製の「SMT-F240」。当初は1機種だが、来年の春までには、750Kbpsの帯域でも現在と同様のDVD相当の映像が配信できる次の機種への変更と、2Mbpsの帯域でハイビジョン相当の映像を配信できる上位機種の投入も明らかにした。著作権の問題などをクリアするため、ハードディスクなどの蓄積機能を持たず、機器の調達コストについても「ADSLモデムより少し高いくらい」(孫氏)とした。 試験サービスは、12月5日から東京23区でYahoo! BB加入ユーザーの中から500名をBBテクノロジーとBBケーブルが抽出、ユーザーの了承を得た上で無料の試験サービスの提供が行なわれる。抽出は地域や人数などのバランスを考慮して行なわれ、ユーザー側から試験モニターの応募はできないという。無料試験サービスは開始から1カ月を予定している。 正式サービス時の提供エリアについては、2Mbps以上の通信速度が出ているユーザーは現在、8Mタイプで63%、12Mタイプで78%となり、それらのユーザーについてはサービス提供可能だとした。また、750kbpsの帯域で配信できる次の機種を使えば、8Mタイプで81%、12Mタイプで97%のYahoo! BBユーザーに「BBケーブルTV」のサービス提供が可能になるとした。 正式サービス時の利用料は、STBのレンタル料とベーシックパックを含めた金額で2500円前後を予定しているという。なお、対象はYahoo! BBのADSL回線を利用しているユーザーに限られるため、Yahoo! BBの回線利用料などが別途必要となる。また、ハイビジョン相当の映像配信サービスについては、機器のコストやコンテンツの詳細が定まっていないため、現在のところ未定だという。 会場では、BBケーブル社長の橋本太郎氏が、STBをリモコンで操作して実際の映像のデモンストレーションを行なった。「放送サービス」はリモコンの操作で自在にチャンネルを変更でき、「ビデオ・オン・デマンド サービス」もリモコンで見たいコンテンツを選択できる。選択の際はコンテンツの概要とサムネイル動画が表示され、購入の手助けも行なわれる。また、映像の停止・巻き戻し・早送りなども操作してみせた。 デモで映し出された映像は、DVD相当と言うものの、激しい動きの画面ではブロックノイズが多少見られた。あわせて試作中のハイビジョン相当の画像のデモンストレーションも行なわれたが、こちらは通常の配信方式と比較してノイズのない鮮明な映像を再現していた。 ◎関連記事 (2002/11/13) [Reported by 正田 拓也] |
|