【規格】
W3Cが「XForms1.0」を勧告候補として公開
~UIとデータを分離する注目技術
■URL
http://www.w3.org/2002/11/xforms-pressrelease
Web標準化団体World
Wide Web Consortium(W3C)は12日、「XForms1.0」を勧告候補として公開した。XForms1.0が勧告候補になったということはこの仕様が安定していることを意味しており、W3CのXFormsワーキンググループではWeb開発者コミュニティーに対しこの仕様の実装と相互運用性の検証を呼びかけている。
HTMLを使った通常のページでユーザーにデータを入力してもらう場合、必ずフォームが使われる。例えばあらかじめ用意しておいた選択肢の中から項目を一つだけ入力してもらう場合にはラジオボタンを、また複数の項目を選択してもらう場合にはチェックボックスを使うなどしている。しかし、この場合ユーザーインターフェイス(UI)とデータが密に結合しているために、これ以外の例えばクリッカブルマップなどのデザインを使用したり、音声で項目を選択するなどといったマウス入力と全く異なる方法をとることができない。
XFormsではこの問題を解決するためにXMLを利用して、これまでのHTMLフォームの中身をXFormsモデル、入力されるデータ、そしてXFormsユーザーインターフェイスの3つに分割し、フォームに入力される内容とその表示方法とを明確に分離した。これによりフォームで集めようとしている情報を処理するためのモジュールをUIとは別に記述できるため、さまざまな場面で再利用することができる。また、UI部分を場面毎に変更したり、キーボードやマウスとはまったく異なったインターフェイスである、音声や視線入力といった方法を採用することもできるようになる。さらにデータそのものがXMLで送信されるため、サーバーで受け取ったデータを自動的に処理する方法が多様になる。
このようにXFormsは単なるフォーム記述言語にとどまらず高度なWebアプリケーションを構築するための基盤となる技術であり、この仕様の発展方向が注目されるところだ。
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(2002/11/13)
[Reported by 青木 大我 (taiga@scientist.com)]
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