【調査結果】
企業のイントラネット、設計しだいで“金食い虫”に~米調査
■URL
http://www.nngroup.com/reports/intranet/guidelines
米Nielsen
Norman Groupが実施したイントラネットに関する調査によると、イントラネットの設計が悪い場合には、1万人の従業員当たりおよそ1,000万ドル以上の生産性の低下に繋がるに等しいことが明らかになった。業務効率を上げるために導入したとしても、その方法を間違えば宝の持ち腐れどころか“金食い虫”になる可能性さえあることになる。
今回の調査は、Amazon.com、American Airlinesなど米企業10社、Consumers' Association、Currie & Brownなど英国企業3社、および香港のCathay Pacific社の合計14カ所のイントラネットを対象に行なわれた。それによれば、ある作業を行なった際にかかる時間は、最低27時間で最高では196時間もかかるという。イントラネットの構造次第で、4日で終わる業務が1カ月以上かかる可能性もある計算だ。また、平均的な賃金(およそ年4万ドル)の従業者一人あたりにかかるイントラネットの整備費は、設計によっては800ドル程度から、6,000ドル近くになることもあるという。人件費当たりで見ても、設計によっては固定費が15%も増加することになる。
なお、調査の結果、イントラネットの性能を決めるファクターとして、検索機能、PDF、ナビゲーションが挙げられた。検索機能は、作業効率を上げるために必須だが、検索機能がないイントラネットが43%とかなり高率に達した。PDFもまた、性能の決定要因だ。PDFはマニュアルなどを保存し配布するには優れているものの、それを実際に利用する場合は、そのデータ処理の「重さ」がネックになる。ナビゲーションのしやすさについては、設計がうまく行なわれていると、作業目的にすぐ到達することができるが、そうではない場合は、生産性は格段に落ちる。
このように、普段使い慣れているイントラネットの機能でも、設計によっては企業の足を引っ張ることが調査結果で明らかになった。
(2002/11/15)
[Reported by Gana Hiyoshi]
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