【業界動向】
12基地局で150平方キロをカバー米ArrayComm、無線ブロードバンドサービスをオーストラリアで実地試験■URL スマートアンテナ技術の米ArrayCommの豪州子会社CKW Wireless Plyは21日、CKWを主体とするコンソーシアムが豪州のシドニーにおいて、ArrayCommが開発したサービス「i-BURST Personal Broadband System」(i-BURST)の商用前の実地試験を開始したことを発表した。このコンソーシアムには、Vodafone Austratiaや3Comのグループ企業CommWorksなども参加している。 i-BURSTは、無線技術により専用のPCカードモデムを利用し、エリア内ならば1Mbpsで通信できるという無線ブロードバンド接続サービスである。この技術はWi-Fiと途切れなく接続できるが、直接の互換性はないため既存のホットスポットサービスの利用はできない。ArrayCommでは、どちらかというと第3世代携帯電話サービスと競合する技術であると位置付けている。 通常のホットスポットの場合、一つのアクセスポイントがカバーできるエリアは半径数百メートルが限界だが、今回シドニーで行なわれる実地試験では、150平方キロをたった12基地局でカバーすることができているという。このことはホットスポットサービスに比べて、設置費用や維持管理費の大幅削減につながるほか、第3世代携帯電話に比べても大幅なコストダウンが可能であることを意味している。 今回の実地試験では、Webブラウジング、メール、ストリーミングビデオ再生、Webカメラ、デジタル写真のアップロードなどをすべて問題なく行なうことができたという。この商用サービス実施前の試験は、サービスのパフォーマンスを確認し、さまざまな運用上あるいは技術上のパラメータを最良にするために実施されている。 ArrayCommの創業者は、携帯電話技術の開発に携わった一人である。i-BURST技術の元となっているIntelliCell携帯電話アンテナ技術は、国内でもDDIポケットがPHSサービスのために採用しているほか、i-BURST技術も京セラがライセンスして海外向けの製造を行なっている。ArrayCommでは、今後韓国や米国でi-BURSTサービスを展開したいとしている。 (2002/11/22) [Reported by 青木 大我 (taiga@scientist.com) ] |
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