【業界動向】
~ソフトバンクグループ4社らが反対を表明総務省、NTT東西のDSL回線接続約款変更に関する意見書を公開■URL 総務省情報通信審議会は、NTT東西のDSL回線の接続条件等に関する改定に関する意見募集を11月20日に締め切り、意見提出者および寄せられた意見書を公開した。情報通信審議会では今後、寄せられた意見を踏まえて調査審議を行ない、総務大臣に対し答申することになる。 寄せられた意見書では、標準化団体であるTTC(社団法人 情報通信技術委員会)の策定したスペクトル管理標準を、DSL回線の収容条件を設定するための運用ルールとして導入すべきかどうかがひとつの大きな焦点となっている。 これに条件付き賛成も含め、基本的に賛成の立場を取った意見書を提出しているのは、日本テキサス・インスツルメンツ、センティリアム・ジャパン、住友電工ネットワークス、日本電気、イー・アクセス、アッカ・ネットワークス、東京通信ネットワークスの7社。また、TTCもTTC標準の内容は妥当なものだとする意見書を提出している。これに対し、反対の意見書を提出しているのが、ヤフー、ソフトバンク・テクノロジー、ビー・ビー・テクノロジー、アイ・ピー・レボリューションらソフトバンクグループ4社と、長野県協同電算(Janis)、ソネット(東京めたりっく通信の創業企業、So-netとは関係がない)の計6社。 また、個人ではイー・アクセス役員の小畑氏をBBテクノロジーが提訴した際のBBテクノロジー側の弁護士である牧野二郎氏、BBテクノロジーがTTCへの意見書を提出した際に参考意見を提出した大学教員の太田昌孝氏、BBテクノロジー社員の筒井多圭志氏のほか、大学教員の中村八束氏、不破泰氏、芝野耕司氏ら6人が意見書を提出。6人全員がNTT東西の約款変更の内容に反対意見を表明した。 この他、Ambit Microsystems、グローブスパン・ビラ―タ・ジャパン、Hyndai Networks、LG Electronicsなど海外のハードウェアベンダーら14社が協同で意見書を提出。ハードウェアベンダーという微妙な立場を反映してか、やや歯切れの悪い表現であるものの、“理論的シミュレーションに基づく影響は、現実環境ではたいていの場合、ごく僅かもしくは感知できない程度の影響”と述べるなど、どちらかと言えばTTC標準に対して否定的とも読める意見を提出している。 賛成の立場を取る各社では、メタリック回線の公共性や漏話しやすいこと、DSL回線の急速な普及などから、運用ルール作りは急務であるという論調が共通している。一方、反対の立場を取る意見書では、干渉の大きいISDNサービスそのものを即刻止めるべきだというようなものから、TTCの中立性やTTC標準の妥当性が疑われるというもの、またTTCとは関係なく月額899円というグループ2の課金は事実上サービスを提供するなというに等しいと指摘する意見などが出された。 ◎関連記事 (2002/11/25) [Reported by 工藤 ひろえ] |
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