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【新技術】
~60GHz帯を利用して、Gbpsでの双方向無線伝送が可能にNEC、最速1.5Gbpsを実現する無線ギガイーサリンクを開発
日本電気株式会社(NEC)は28日、最大1.5Gbpsを実現するワイヤレスギガイーサリンクを開発したと発表した。これにより、従来光ファイバーなどの有線ケーブルに限定されていたギガビットクラスの大容量データで、双方向無線伝送が可能となる。 これは、60GHz帯を利用する小型ワイヤレスリンクを利用して最大1.5Gbpsの無線伝送を実現するというもので、大容量無線伝送システムを小型化し、安価に提供できるという。このワイヤレスイーサリンクは、同社が独自開発した高性能ミリ波スイッチを用いた直接ASK変復調方式などにより実現したという。 昨今、2.4GHzや5GHz帯の電波を利用した無線LANの開発等が盛んに行なわれているが、この周波数帯域は他用途の周波数帯域と重なる、もしくは隣接しているため、問題も多い。また、伝送速度もIEEE 802.11a準拠の場合で最大54Mbpsと上限が低く、将来的に想定される大容量で動画などを通信する際には不安が残る。 そこでNECは、電波使用の免許の必要が無く、なおかつ広い周波数帯を利用できる60GHz帯に注目し、既に最大500Mbpsの無線伝送実験に成功している。しかし、現状では1Gbpsを超えるデータの送信機会も増加してきており、有線系で広まりつつあるギガビットイーサネットと同等のスピードへのさらなる高速化を目指したという。ただし、60GHz帯の電波は大気中の酸素分子に吸収されやすく、長距離伝送には不向きだ。しかし逆に、他のシステムとの干渉は抑えられるというメリットがあるため、短距離通信には有望であるという。 NECでは、「今回はあくまでも実験レベルの話で、現在関連会社が商品化に向けて開発を行なっている段階だ。今後は、商品化や標準化を見据えて開発を進めていきたい。具体的にな利用用途としては、電車や高速移動する車内などでの利用なども想定できるのではないだろうか」としている。 (2002/11/28) [Reported by otsu-j@impress.co.jp] |
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