【調査結果】
米国でオンラインバンキング利用率が急上昇~米調査結果
■URL
http://www.pewinternet.org/reports/pdfs/PIP_Online_Banking.pdf
米Pew
Research Centerの非営利組織であるPew Internet & American Life Projectは、米国のオンラインバンキング利用状況に関する調査結果を発表した。これによると、2000年3月に同様の調査を行なった際には、インターネットユーザーのうちオンラインバンキング経験者はわずか17%だったのに比べ、今回の調査では32%のインターネットユーザーがオンラインバンキング経験者だという結果が出た。この伸び率は、Pewが調査している他のインターネットサービスの中でも最高だという。
今回の調査では、男女別・年齢別・人種別・学歴別・インターネット歴別など、さまざまなカテゴリーでインターネットユーザーのオンラインバンキング利用率を分析。男女別では男性が35%と女性の30%を上回り、年齢別では18~29歳が38%、30~49歳が36%、50~64歳が27%、65歳以上が16%と、30代40代の利用率が高いことがわかった。人種別では特に大きな違いはなく、白人、アフリカ系、ヒスパニック系全ての人種で約30%程度の利用率であった。学歴別では、大卒者のインターネットユーザーがオンラインバンキングを利用している率が41%と高く、高卒者の23%を大きく上回った。また、インターネット歴が長ければ長いほど、オンラインバンキング利用率も高くなるという結果が出た。
わざわざ銀行に出かけることなくオンライン上で取引が可能だという利便性が、利用率上昇の大きな原因となったのはもちろんだが、手数料の安さもオンラインバンキングの普及に貢献しているといえる。同調査では、オンラインバンキング経験者の30%が手数料の安さは「非常に重要」だと答えたという。
米国では公共料金やカード決裁などを小切手で支払うケースが大半だが、連邦準備制度理事会の発表によると小切手の発行枚数は1995年の495億枚から2000年には425億枚と、14%の減少を記録した。この数字をPewではオンラインバンキングの普及と合致していると見ている。小切手の送付には手間と切手代がかかることを考えると、これは妥当な見解であろう。
(2002/11/29)
[Reported by 藤本 京子]
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