【セキュリティー】
指摘を受けMicrosoftは深刻度評価を見直し「Microsoftのセキュリティーホール深刻度の評価は信用できない」~GreyMagic指摘■URL イスラエルのセキュリティー企業GreyMagicは6日、Microsoftがセキュリティーホール修正パッチを公開する際に行なうセキュリティーホール深刻度評価が“適切でない”とする意見を公開した。これを受けてMicrosoftは7日、すでに公開されていた「MS02-068」の深刻度評価を見直した。 GreyMagicは、MicrosoftのInternetExplorer(IE)に存在するいくつかのセキュリティーホールをMicrosoftに報告した後に内容を公開している。そのうち一つのセキュリティーホールが「MS02-068」によって修復されたが、その際Microsoftは脅威の深刻度を「警告」とし、最大級の危険度である「緊急」にはしなかった。 GreyMagicの指摘によると、2月に発見されたIEの別のセキュリティーホールでは、特定の構造を持つ特定のファイルを読み出すことしかできないセキュリティーホールに対してMicrosoftでは「緊急」とが評価していた。それと比べ、今回のMS02-068で修復されたセキュリティーホールは、システムのすべてのファイルを読むことができ、任意のコマンドを実行できるにもかかわらず、セキュリティーホールの深刻度は「警告」にとどめられていた。GreyMagicは、このようにMicrosoftの評価基準が変わったことについて「Microsoftの気が変わったようだ」と皮肉をこめて指摘している。 こうした指摘を受けてMicrosoftは7日、指摘通り任意のコマンドを実行できることを確認したとして深刻度評価を「緊急」に格上げした。GreyMagicでは、この問題とは別に、報告、公開されているセキュリティーホールがあるにもかかわらず、修正していないものがいくつも残されているとも指摘している。 セキュリティーホールの修正パッチは重要なものだ。しかし、ソフトウェアに変更を加えることになるために、企業などで大規模なシステムを運用している場合には、不具合を起こさないために深刻度によってパッチを当てるか当てないかの判断を迫られることがある。そのためMicrosoftのセキュリティーホールの深刻度評価はきわめて重要な情報となっている。今回のMicrosoftの対応は評価できるが、今後の深刻度評価に不信感を与えないようますます適切な評価が求められることになるだろう。 (2002/12/9) [Reported by 青木 大我 (taiga@scientist.com)] |
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