【イベントレポート】
Internet Week 2002でgTLDレジストリ各社がアピールドメインは斜陽ビジネスではないインターネットの構築・運用や研究・開発に携わる人の情報交換の場となるイベント「Internet Week 2002」が16日、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜で開幕した。主催の日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)をはじめ、日本インターネット技術計画委員会(JEPG/IP)や日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)などのインターネット関連団体や企業の参加・協賛により、20日までの5日間にわたって50テーマ以上に及ぶ会議やセミナー、懇親会などのプログラムが予定されている。 初日となる16日にJPNIC主催で行なわれたプログラム「ドメイン名に関する最新動向」の中で、VeriSign Global Registry ServicesなどgTLDレジストリ3社がドメイン市場の現状と今後の見込みを説明。アジアでは今後もドメイン市場が伸びる可能性があることを強調した。 VeriSign Global Registry ServicesのJeongjun Seo氏によれば、インターネットユーザー1人あたりのドメイン名登録数は英国で0.20件、米国で0.10件、ドイツで0.23件なのに対して、中国と日本は0.01件、韓国でも0.04件に過ぎないというデータを紹介。アジアにおけるドメインビジネスは「マーケット規模は小さいながらも成長の余地がある」として、今後も「新しい国際化ドメイン名(IDN)を提供するなりして拡大できる」と述べた。 IDNはIETFにおいて近く標準化される予定となっており、すでに「.com」でIDNの登録サービスを提供している同社では、次世代アプリケーションやOSにおけるIDN対応をMicrosoftに求めていくとしている。また、2003年上期をめどに、アプリケーションベンダー各社に「IDN Trancecoding Libraries」をライセンス供与する予定だという。
LaPlante氏によれば、2001年6月からの1年間で「.com」が7%(153万5,000件)、「.net」が18%(79万4,000件)、「.org」が17%(48万4,000件)減少しているのに対して、「.info」「.biz」「.name」といった新gTLDは順調に増加しており、すでに200万件に到達。ccTLDも1,000万件を超え、安定して成長しているという。新gTLDはドメイン空間全体から見ればまだ少ないが、「伸びている点が特筆に値する」。 ただし、アジアのレジストラで登録された「.info」ドメインのうち、アジアのユーザーからの登録が50%に満たないことを指摘。この数値が米国では90%以上、欧州では65%以上であることを挙げ、新gTLDのICANN公認レジストラがアジアに少ないことや、ドメインビジネスのマーケティングがccTLDにフォーカスしていることがネックになっていると説明した。 Global Name RegistryのAllan VanBuhler氏は、同社がレジストリ業務を行なう「.name」によって、世界で500万件以上のコンシューマー向け市場が期待できると説明する。従来のgTLDは90%がビジネス目的で取得されており、コンシューマーの利用目的で大きな部分を占めるメールアドレス用に「自分の名前を使えない状況」があるためである。 同社では「.name」で、サードレベルまで含めたドメイン名とメールアドレスを組み合わせたサービス(例えば「steve.brown.name」と「steve@brown.name」)のホールセール事業を展開しており、こういったドメインビジネスが「ISPにとっても新たな収益源になる」とアピール。IDNについても、標準化が済めば対応していくとしており、アジアでのサービス拡大に意欲を見せた。 Internet Week 2002の一環として、18日からはIPv6をテーマとした国際会議「Global IPv6 Summit in Japan 2002」、19日からは日本インターネット協会(IAJapan)による「IAJapanエグゼクティブフォーラム」がスタート。期間中、合わせて約9,000名の参加が見込まれている。各プログラムへの事前申し込みはすでに終了しているが、一部を除いて空席が残っており、当日の参加も受け付けている。 (2002/12/16) [Reported by nagasawa@impress.co.jp] |
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