【イベントレポート】
ソニーの著作権保護機能付きCD-ROM技術を紹介~ACCS主催セミナー17日、社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会主催による著作権保護技術紹介セミナーが東京商工会議所で開催された。今回のセミナーは「権利侵害の現状と著作権保護の新しいビジネスモデル」と題し、ソニーが開発した「SecuROM」と「Postscribed ID」が紹介された。 「SecuROM」は、“コピーできないCD-ROM”だ。このメディアの中にあるEXEファイルは鍵がかかった状態で提供され、ガラスマスタリング工程で埋め込まれるキーコードを使わなければ起動しないようになっている。たとえ、CD-ROMのデータがコピーされても、キーコードそのものはコピーされないので、“使えないCD”ができるだけだ。プログラムを起動するためには、正規品のCDをCD-ROMドライブに入れておかなくてはならない。キーコードは700KB程度のデータ量なので、通常のCD-ROMと同様のデータ容量が確保されている。なお、この技術はすでにゲームなどで使われている。 一方、「Postscribed ID(PID)」は大量生産品であるCD-ROMに対して後から固有のIDを付加する技術だ。PIDが付加されたCD-ROMは、コピーを作ることができる。しかし、PIDとインターネットを利用することでコピーされても認証が可能なビジネスモデルが提案された。 例えば、アプリケーションの箱やCD-ROMのケースに記されているシリアルキーを、CD-ROMの中にあらかじめ入れておく方法では、ユーザーが無規則な文字列を入力する手間が省ける。PIDを使えば、シリアルキーを固有のものにできるので、インターネット経由でサーバーにユーザー登録させ、コピーされた2枚目以降の利用を監視することができる。 また、ハードウェアとしてのクレジットカードの代わりにCD-ROMを使う方法も考案されている。例えば、オンラインショップの紹介CD-ROMを利用してユーザー情報やクレジットカード番号などをサーバーに登録すれば、ユーザーIDやパスワードが流出してもCD-ROMがなければ悪用できない。 さらに、メールアドレスとPIDを組み合わせて、CD-ROMの中にあるコンテンツの時限利用もできる。コンテンツそのものをロックがかかった状態で提供し、PIDを元にサーバーからアンロックキーを得るというものだ。
これらのビジネスモデルは、米国ですでに提供されているものや、現在交渉中のものだが、今後は日本でも積極的に展開していく方向だ。なお現在、PIDはWindowsにしか対応していないが、来春にもMacintosh版が開発される予定だ。 (2002/12/17) [Reported by okada-d@impress.co.jp] |
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