【サービス】
NTT東西、フレッツユーザー向けIP電話対応端末を2003年3月より提供■URL NTT東日本およびNTT西日本は、フレッツ・ADSL、Bフレッツのユーザーを対象に、IP電話対応端末を2003年3月より提供開始すると発表した。これはプロバイダー各社が発表しているIP電話サービスに対応するもので、VoIP機能搭載のTAやVoIP機能内蔵モデムなど、複数タイプの端末を予定しているという。 今回の発表は、ブロードバンドの急速な普及によってブロードバンド回線をインターネットだけではなく、IP電話サービスにも利用したいというユーザーのニーズに応えるとともに、ADSLサービスにおけるモデム提供のような形式でVoIP端末を提供することで、より簡単かつ便利にIP電話サービスを利用してもらうことを狙いとしている。サービスの対象はフレッツ・ADSLまたはBフレッツのユーザーで、フレッツ・ISDNのユーザーは対象外。VoIP機能を搭載したモデムやTAを利用することで、一般加入電話機からIP電話サービスが利用できる。プロトコルはSIP(Session Initiation Protocol)を採用、端末は複数のモデルを用意する予定。無線LANについても具体的な話があるわけではないが、対応端末の可能性はあるという。 今回の発表ではIP電話サービスそのものはプロバイダーが実施、NTT東西は対応機器を提供する立場にとどまる。そのためIP電話サービスの通話料金などは対応プロバイダーに依存するという。端末の提供方法はレンタル、買い取りの提供を予定しているが、フレッツユーザーの8割以上はモデムレンタルを選択しているという実情からも、より基本的な機能を持つ端末ほどレンタルで提供する方向だ。端末の技術情報はプロバイダーに別途開示する予定であり、NTT東西の端末によるサービスを検討するプロバイダーには個別に話を進めていく。機器の価格、詳細などは未定で、提供条件などが確定次第告知される予定という。
すでにIP電話の試験サービスを発表しているプロバイダー各社はVoIP機能搭載端末を用意しており、今回の発表によって端末の提供方法に選択肢が1つ増えることになる。これについてNTT東日本の河辺候一サービス開発部長は、「各プロバイダーがすでに用意している端末の提供方法を引き剥がすつもりではなく、あくまでフレッツシリーズでもVoIP端末を用意するというスタンス」であり、決定権はプロバイダーにあるとした。また、異なる端末間での接続性については「保証はないが、SIP対応だから大丈夫だろう」という見解を示したのち、「きちんとした技術的な共通項を作っていく必要がある」とコメントした。 IP電話サービスはプロバイダー各社が実施、NTT東西は端末を提供するというスタンスについては「県間接続ができない状態では、フレッツ・シリーズとしてIP電話を提供することは不可能」という事情を説明。総務省へ申請しているフレッツサービスの広域化が認められた場合については「実際に認められている訳ではないから言いにくい」と前置きした上で、技術的にはフレッツシリーズのサービスとしてIP電話サービスを提供することは十分に可能であると語った。 また、IP電話サービスが一般加入電話のサービスに悪影響を及ぼすのではないかという質問には「今回のサービスはあくまでフレッツの世界の話であり、一般加入電話をIP電話に置き換えるものではない」という点を強調。回線事業者としてIP電話を利用したいというニーズに応えるものだとした。ただし、結果として一般加入電話がIP電話に置き換わるのではないかという心配もあるにはあるという。 対応プロバイダーについては「一部とは話を進めている」ものの、公式的には今回の発表が正式な告知であり、今後様々なプロバイダーと話を進めていくという。すでに話を進めているプロバイダーでは、「できることなら端末はNTT東西で提供してほしい」と前向きな意見も聞かれているという。 ◎関連記事 (2002/12/20) [Reported by 甲斐 祐樹] |
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