【法/意見募集】
“出会い系”を使った児童買春は未成年者も処罰対象に~警察庁警察庁関係者と有識者で構成される「少年有害環境対策研究会」は26日、いわゆる“出会い系”サイトの法的規制に関する中間検討案を発表した。この案によれば、18歳未満の誘った側の児童も罰則の対象にすべきとしている。 警察庁の資料によれば、平成14年度上半期に“出会い系”サイト絡みで発生した事件の検挙件数は793件で、そのうち400件が児童買春だ。これら全体の犯罪における被害者総数は上半期だけで692人に達し(平成13年は通期で757人)、そのうち女子高校生が335人、女子中学生が173人となっている。 しかしながら、児童買春400件のうち手口が判明した211件をみると、198件が女性児童側から誘ったものとなっている。手口別では、「メル友募集」のような一般的な自己紹介から売春に発展したものは37件(児童から34件、大人から3件)に過ぎず、お小遣いをあげる/貰うことを条件にした交際勧誘が58件(児童から50件、大人から8件)、性交渉そのものを目的とした勧誘が62件(児童から60件、大人から2件)、“援助交際”専用サイトからの勧誘が54件(児童から54件)といった「不正勧誘」が174件を占めた。 また、“出会い系”サイトへの利用形態をみると、全793件のうち758件が携帯電話からの利用であることもわかった。児童買春に限定しても400件のうち390件が携帯電話経由だった。 このような情勢を受けて研究会では、次の4点からなる“出会い系”サイト規制案を提案している。まず、「不正勧誘」について買う側(大人側)だけでなく、誘う側の児童の書き込みも禁止すべきとし、性交渉を目的としたものはもちろん、それに発展する可能性が高い金銭授受を伴ったデート勧誘なども禁止する方向だ。児童側の勧誘禁止に関して研究会では、「大人も児童も等しくインターネットを使う者である以上、大人と児童を区別せず、そのルールの遵守を求める」としている。 2点目は、携帯電話からの“出会い系”サイトの利用が多いことから、児童が携帯電話を使って“出会い系”サイトにアクセスすること自体を禁止すべきとしている。ただし、この項目については特に罰則を定めない方向だ。これに関連して3点目として、携帯電話から利用できる“出会い系”サイトの運営者に対して、児童が利用しにくくなるような措置を講じることを義務付けるとしている。 4点目は、「不正勧誘」の禁止の効果が上がるように、罰則を設ける点だ。研究会では、「不正勧誘行為を児童自らが進んで積極的に行っている以上、これを単に禁止するだけでは効果は不十分」と分析、18歳未満の児童の書き込みに対しても処罰対象にするという。ただし、少年法の手続きにより保護処分などになる見込みで、刑事処分を受けることはないとしている。 なお、この中間検討案については、広く一般から意見を募集する予定だ。期間は12月27日から2003年1月20日までで、メールアドレスは「shonen-k@npa.go.jp」となっている。
“出会い系”サイトに関係した事件の検挙数 (件) ◎関連記事 (2002/12/26) [Reported by okada-d@impress.co.jp] |
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