【ブロードバンド】
自治体が主体となって住民向けに無料ADSL
~岡山県旭町~
■URL
http://www.town.asahi.okayama.jp/
岡山県旭町は、早ければ3月にも住民向けのADSLサービスを開始する。加入金は1万5,000円、モデムも個人で購入(約1万~1万5,000円程度)しなければならず、初期費用は商用サービスに比べて割高だが、月額利用料は無料。すでに同町が住民向けに無料で提供中のISP「チェリーネット」と組み合わせることで、住民は月額300円程度のNTT回線使用料のみで常時接続サービスが利用できるようになる。12Mbps ADSLとReach DSLに対応し、1,188世帯のうち9割をカバーする。
現在、旭町における一般向けのインターネット接続サービスはフレッツ・ISDNが最速。最近ではこのような商用サービスが進出して来ない地域において、国の補助金などを利用して一気にFTTH整備事業に取り組む自治体も現われているが、それでも自治体にとっての初期工事費は数億~数十億円になり、ケーブル維持管理費も膨大な金額になることが予想される。
これに対して同町では、限りある財源の中で効率的に住民のブロードバンド環境を整備できるとしてADSLを選択した。事業費は、県からの補助2,000万円を含む約4,500万円。同町ではすでにインターネットまでのバックボーンを構築済みであったため、NTT収容局に設置する通信機器の購入や工事の費用だけで済んだ。開局にともなって新たに発生する運用コストも、NTT収容局へ設置する機器のコロケーション費用だけである。
このバックボーンは、岡山県が構築し、県内のプロバイダーなどに無料開放している高速幹線網「岡山情報ハイウェイ」を経由するもの。町では1999年、ハイウェイのアクセスポイントがある津山市まで、国の補助事業で自前の光ファイバー回線を整備。現在、役場や学校からのインターネット接続を目的として運用されているほか、町が主体となって2000年に提供を開始したチェリーネットにも活用されている。
(2003/1/15)
[Reported by nagasawa@impress.co.jp]
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