【業界動向】
全米をカバーする成層圏飛行船を使った無線ISPは「月額29ドルで1Mbps」
■URL
http://www.sanswire.net/
|
Stratellite |
成層圏に浮かぶ飛行船を使って全米、カナダ、およびメキシコの一部をカバーする無線インターネット接続サービスの詳細が明らかになった。これは米Sanswireが、カナダの飛行船ベンチャーの技術を利用して米国内全てのエリアをカバーする無線インターネット接続サービスで、昨年12月に発表されている。
本誌の取材に答えたSanswireのCEO、Michael Molen氏によると、無線インターネット接続サービスは固定位置からの接続であれば月額29ドルで1Mbpsの接続を行なえるという。接続には、通常のWi-Fi機器で接続できるサービスを提供するほか、ライセンスが必要な帯域を利用して54Mbpsまでの帯域幅の通信サービスを提供する計画である。
Sanswireでは公開実証実験を2002年12月11日に行なう予定だったが、これが2月に延期されたことも明らかになった。Molen氏によると「米国外から複数の団体が来る予定で、我々には全ての人を街に入れるだけの時間がなかった」とその理由を説明した。
Sanswireは現在米国内のサービスを発表しているが、成層圏飛行船を使った同様の無線インターネット接続サービスを、海外市場にも展開する予定があるという。計画が進んでいるのはラテンアメリカ、欧州とアジアであり、日本のある企業と日本国内の主要な都市部に成層圏飛行船を利用した無線インターネット接続サービスを提供するための予備的な話し合いを持っていることも明らかにした。
このサービスが成功するかどうかは、球状の独特な飛行船「Stratellite」が実際に成層圏での飛行を成功させられるかにかかっている。だが現在、成層圏での飛行実験の段階には至っていない。計画では2004年の12月頃までに地表から18キロ上空で飛行させる予定だ。
◎関連記事
■カバーエリアは“米国全土”~成層圏飛行船による無線ブロードバンドサービス
(2003/1/20)
[Reported by 青木 大我 (taiga@scientist.com)]
|