【業界動向】
6.7GBのデータを約1万1,000キロの彼方に1分で送信
~Internet2で新スピード記録達成
■URL
http://archives.internet2.edu/guest/archives/I2-NEWS/log200301/msg00005.html
次世代インターネット研究開発コンソーシアム「Internet2」が20日、6.7GBのデータを約1万1,000キロ先に1分で送信することに成功したと発表した。これは、送信速度を競うために常時開催している「Internet2 Land Speed Record」で、米国とオランダの合同チームが記録したもの。
この記録を達成したのはNationaal Instituut voor Kernfysica en Hoge-Energiefysica (NIKHEF)、The Stanford Linear Accelerator Center (SLAC)、The California Institute of Technology (Caltech)、The Faculty of Science of the Universiteit van Amsterdam (UvA)からなる合同チーム。6.7GBのデータを米国のカリフォルニアから1万978km先のオランダはアムステルダムに1分間で送信を終えるという世界最速記録達成となった。
記録達成のために使用されたネットワーク機器は、TeraGrid、StarLight、SURFnet、NetherLightのもので、光ネットワークリンクはLevel 3 Communicationsが、IEEEコンピューターソサエティ主催の国際会議「SC2002」のために用意したもの、そしてSLACとCaltech側にはCisco Sysmtemsが用意したものが使用された。またこの実験は、CERNのスタッフも支援した。
送信されたデータは、DVD品質の映画約2本分のデータで、平均923Mbpsで送信された。これは平均的なブロードバンド接続の3,500倍の速さだとされている。この記録達成のためには標準的なPCが用いられ、アムステルダム側ではDebianGNU/Linuxが、カリフォルニア州サニーベール側ではRedHat Linuxが用いられた。
この記録達成の意義について、オランダチームに属するNIKHEFの研究者Antony Antony氏は「この記録は、商業的なインターネットの基盤をなしているプロトコルが、大陸間ネットワーク上でギガビット級の速度をサポートできることを実証したが、実世界の状況でいつもこのようなパフォーマンスを実現するにはまだ多くの研究が必要だ」とコメントした。
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(2003/1/21)
[Reported by 青木 大我 (taiga@scientist.com) ]
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