【サービス】
NTTグループ、FOMAとパソコンでテレビ電話が利用できるサービス■URL
NTT(持株会社)、NTTブロードバンドイニシアティブ(NTT-BB)、NTTドコモの3社は、NTTドコモの携帯電話端末「FOMA」とパソコンの間でテレビ電話機能などを利用できるメッセンジャーサービスを発表、試験サービスを2月から開始する。モニターはNTT-BBが運営するBROBAの会員が対象で、1月29日より一般ユーザー70名、法人モニター30社程度のモニターを募集する。 今回のサービスは、NTTドコモが開発したIP網とFOMA網の変換機能およびNTTサイバースペース研究所が開発したメッセンジャーソフトを利用して、FOMAとパソコンでテレビ電話機能などのメッセンジャーサービスが利用できるというもの。FOMAは映像通信規格に「3G-324M」プロトコルを採用しているため、IP網との相互通信は困難とされていたが、NTTドコモはこの3G-324Mとインターネットテレビ電話などで用いられる「H.323」プロトコルを専用ゲートウェイで変換。同時にFOMAのISDN網とIP網という伝送方式の違いもゲートウェイで変換することで、FOMAとパソコン間での双方向による映像通信が可能になったという。 メッセンジャーソフトではパソコンおよびFOMA端末とのテレビ電話機能が利用できるほか、テキストチャット機能も搭載。ネットワークに接続していることを通知するプレゼンス機能もサポートする。ただし、FOMA側でプレゼンス機能を利用する場合は、iアプリを立ち上げておく必要がある。 サービスを利用する場合、パソコン側では専用のメッセンジャー、FOMAではiアプリをインストールする必要がある。専用メッセンジャーはSIPとH.323の両プロトコルをサポート、パソコン間ではSIPを、パソコンとFOMA間での通信にはH.323を使用する。メッセンジャーの映像はMPEG-4、音声はG.711と、ともに国際標準に準拠した方式を採用している。 パソコンからFOMAへ通信を行なう場合はFOMA側に特別なソフトなどは必要なく、FOMAの電話番号を指定するだけで本サービスを利用していないFOMA端末ともテレビ電話機能を利用することができる。逆にFOMAからパソコンへテレビ電話機能を利用する場合は専用のiアプリを使用し、パソコン側に割り振られたSIPアドレスを指定する必要がある。また、パソコン同士の場合は同様にSIPアドレスを指定して利用する。なお、パソコンでの通信にはグローバルIPアドレスを必要とするため、ルータ下のパソコンやファイアウォール内のパソコンからは本サービスは利用できない。
試験サービスは2月3日から3月31日の間から実施、モニターは1月29日よりBROBAのWebサイトで受け付けを開始する。サービスの対象はNTT-BBの運営するBROBAの会員のうち、BROBAの専用網を利用できるポータルプラン、インターネットパックプランのユーザー。個人ユーザーは70名まで申し込みを受け付けるが、サービスを利用する1端末につき1名とカウントされるため、FOMAとパソコンの2端末でサービスを利用したいユーザーは2名分の申し込みを行なう必要がある。 モニターとして必要な環境は、、CPUがPentium III 600MHz以上、メモリが256KB以上で、OSにWindows XPを搭載したパソコンとUSB接続のWebカメラ。なお、OSがWindows 2000のパソコンでも動作はするが、本サービスの動作保証対象外となる。インターネット回線は1.5Mbps以上を推奨、500kbps以下の回線では映像や音質が乱れる場合があるという。FOMA端末の対応機種は「P2101V」「D2101V」の2機種のみで、この端末はユーザーが用意する必要がある。 NTT ブロードバンド推進室の米川達也担当部長は、2002年11月に策定したNTTグループのコンセプト「“光”新世代ビジョン」について言及、「今回のサービスはこの光ビジョンを具現化する第一歩という位置付けである」と語った。商用サービスは今回の試験サービスの結果を踏まえ、2003年度上半期を目標として全国で開始する予定。
◎関連記事 (2003/1/28) [Reported by 甲斐 祐樹] |
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